音楽オタク兼CDコレクターが、毎回お気に入りのCDを1枚ピックアップして紹介する「名盤の庭」。

今回は、2022年話題のバンド・結束バンドから『結束バンド』をご紹介。

2022年も終盤…ここに来て会心の1枚が誕生しました。

アルバム『結束バンド』とは

そもそも「結束バンド」って?

結束バンドは、雑誌『まんがタイムきららMAX』連載の4コマ漫画『ぼっち・ざ・ろっく!』に登場する架空バンドです。

アニメ化に際し、キャラクター声優のユニット「結束バンド」としてオープニング・エンディングのほか、劇中でも楽曲がいくつか披露されました。

更には、楽曲の公開・リリースも実現。
2次元の枠組みから飛び出し現実世界でも人気沸騰のバンドとなりました。

結束バンドの特徴は、いわゆる「アニソン」とは一線を画す、ハードでオルタナティブな楽曲群
KANA-BOONの谷口鮪さんや、tricot・中嶋イッキュウさんが楽曲提供するなど、ロックファンが嬉しいアプローチが魅力的です。

アニメ自体もJ-ロックへのリスペクト満載な内容で、アニメファンのみならず数多くのロックファンを魅了しました。
素晴らしいアニメなので、まだご覧になっていない方(この記事を見ている時点でそんな人は居なさそうですが)は是非ご視聴くださいね!

ついにアルバムリリース

そんな大人気バンド「結束バンド」の1stアルバム。

2022年12月、第1期アニメの放送終了と同時に配信が開始されました。
この売り出し方、アツいですよね。

アニメのOP・EDや、劇中歌はもちろん、アルバム限定収録のいわゆる「アルバム曲」も。
更にはアニメ最終話で使われたあのカバー曲まで収録された盛りだくさんの14曲となっております。

タイトルはストレートに『結束バンド』

バンド名のアルバムは名盤ぞろい!とはよく言われたものです。
『andymori』とか、『THE BLUE HEARTS』とかね。

そういえばアニメ『けいおん!』から生まれたバンド・放課後ティータイムの1stアルバムも『放課後ティータイム』でしたね!

2ndアルバム『放課後ティータイムⅡ』についてはコチラでレビュー記事も書かせていただいていますよ。合わせてご覧ください。

結束バンド珠玉の14曲。ここからは、1曲ずつ詳しく見て(聴いて)いきましょう↓

収録曲

1.青春コンプレックス

左右に振られた2本ギターが印象的なアップテンポチューン。

アニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』のオープニング曲です。

キャッチーなメロディーラインやテクニカルなリードギターなど、いわゆる「アニソン」的なロックナンバーですね。

アニソン界における「ロック」は、メロコアやパワーポップといった「パンク」が主体です。
LiSAさんとか、バンドリとかね。

けいおん!の放課後ティータイムも自身らのことを”パンクバンド”と称しています。

この「青春コンプレックス」もリズムや全体的な印象としてはパンキッシュな雰囲気を醸し出しています。
しかし、最低限のバンド編成やタイトなサウンドメイクなど、ギターロックとしてのアプローチも強く受けて取れます。

アニメの主題歌としての王道J-POPと、結束バンドのコンセプトであるアンダーグラウンドなロックの要素を見事に融合した楽曲だと思います。

焦燥的な歌詞がロック魂をくすぐられますね。歌詞を手掛けたのはシンガーソングライター・樋口愛さん。
主人公・後藤ひとりの心を移したような素晴らしい歌詞ですね。

2.ひとりぼっち東京

イントロが無くボーカルから始まる今風なアレンジの2曲目。

1曲目に続いて疾走感のあるパワーポップナンバーです。

個人的に注目なのがベースライン

まあ、よく動くこと。

主張強めなリードギター然り、シンプルな編成ながら重厚なアレンジがグッとくる。

歯切れの良いソリッドなギターサウンドも相まって、爽やかさの中に重さも感じられるツウ好みな雰囲気の楽曲ですね。

eastern youthとか、初期のアジカンとか、そういった青臭い・泥臭い感じ。好きです。

タイトルもいいですね、「ひとりぼっち東京」

やっぱりロックバンドって言うのは「東京」をどう歌うか、みたいなところありますよね(?)。

なんか、ロック界では、東京って「寂しさ」の象徴的な部分があるんですよ。
くるりの東京とか、銀杏BOYZの東京とか。

そういったところを意識した楽曲なんだと思います。
ロックバンドたるもの「東京哀歌」を歌ってこそだ、みたいな笑

というか、やっぱりリードギターの圧が凄い。ギターヒーローここにあり
音楽で輝ける、そんな少女ですよね。

3.Distortion!!

4カウントから始まるミドルテンポのポップロック。

アニメのエンディング曲その1。

楽曲を手掛けたのはKANA-BOON・谷口鮪さん。人気ミュージシャンの起用で話題になりました。

なんというか、やっぱりKANA-BOONっぽい!

青春ロックというか、爽やか~。

キャッチーなメロディーに明るい歌詞が、なんともポップ。

アニメのエンディングとしてもイイカンジ。KANA-BOON自体アニメの曲を手掛けていますからね。
なんというか、谷口さんの曲は「アニメ」との相性が非常に良いです。

なんというか本アニメ、エンディング曲は総じて「アニソン」感を押し出していますよね。
劇中歌とのギャップというか、OP・EDはちょっと作品とは別格というか…異次元な雰囲気があります。

第1話の時点では、「青春コンプレックス」と「Distortion!!」しか公開されていなかったわけですから、当初は「爽やかでポップなバンドだなぁ(アジカンから名前取ってるわりに)と思ったものですが、今となっては…といった感じです笑

こういったバラエティ豊かな展開というのも、結束バンド…というか二次元バンドの特権ですよね。

4.ひみつ基地

前曲に続いて爽やかなポップロック。

シンプルなエイトビートが心地よい、エネルギッシュな楽曲ですね。

なんというか、喜多ちゃんが可愛い

この明るくてポップな感じが、喜多郁代(CV.長谷川育美)の声によくマッチしています。
「ひみつ基地」という素朴で可愛らしい歌詞も良いですよね~

作詞を手掛けたのはZAQさん。なるほど、納得!!
アニメ「のんのんびより」のEDや、「響け!ユーフォニアム」に楽曲提供を行っている、アニソン界のカリスマですね。

さて、この曲の喜多ちゃん可愛いポイント、NO.1は「2番のAメロ」ですね。
声優さんの演技力ってすごいよなぁと思います。

「自然な演技」ができるのは、さすがプロ。
「キャラクターとしての歌唱」というのはアニソンとか声優ソングの武器であり、醍醐味でもあります。

可愛らしい歌とは裏腹にヘビーで高圧的なサウンド。ラスサビの絶妙なバランスが、痺れる。
その後のアウトロの伸びやかなギターソロも良いですね。

結束バンド(というか喜多ちゃん)の、ポップさや若さ、爽やかさを見事に引き出した1曲、好きです。

5.ギターと孤独と蒼い惑星

緊張感のあるキレッキレのイントロがかっこいいロックチューン。

劇中で最初に披露された楽曲です。

この曲が披露された瞬間、「このアニメ、多分好きになるな」と思いました。

もちろん1話からずっと気に入って毎週観ていたのですが、
なんというか、ずっと待ち望んでいたものに出会えた気がしました。

この楽曲が、結束バンドそしてアニメ『ぼっち・ざ・ろっく!』の唯一無二の立ち位置を確立することになったと思います。

前述の通り、これまでアニソン界におけるロックというのは「メロコア」「パワーポップ」を主軸としたポップな「パンク」がメインでした。

バンドで言うと、スピッツとかandymoriとか。最近だとPEOPLE1とかgo!go!vanillasみたいな。

アニメファンに好かれるロックは、そういうものなんだと思っていましたし、自分はそういった音楽も大好きです。
でも、アニソンが教えてくれるロックは、あくまでも「ロックの一面」でしか無いな、と。

やっぱり私は「激しいだけが、盛り上がるだけがロックじゃない」と思っていますし、そう感じている方も少なくないと思うんですよね。

だから、アニメで語られるロックに対して少しモヤモヤがあった気がするんです。
もっと、広い世界を見せて欲しいと。

その「アニメの壁」を壊してくれたのが、結束バンドであり、この曲だなぁと。

緊張感のあるハードなAメロ、哀愁の滲んだBメロ、高圧的なサビ。

まさに、「ギターによる焦燥音楽」
…ナンバーガールが、アジカンが教えてくれた「あのロック」だ!

そしてこの曲がアニメファンから受け入れられているのが、また感動的。
「ぼざろ」は間違いなく、ロックのためのアニメだったんだ。

6.ラブソングが歌えない

重厚感のあるなギターリフと、高圧的なバスドラが印象的な1曲。

…いやいや、バスドラ笑 やり過ぎでしょ。

でも、やり過ぎるくらいが丁度いい。音楽に「やり過ぎ」なんてことは無い(矛盾)。

タイトルは「ラブソングが歌えない」
後藤ひとりの心情をそのまま歌にしたユーモラスな楽曲ですね。

バスドラのサウンドメイクもそうですが、この曲…アレンジが攻めすぎ。

サビ前のタイト過ぎるビート感。2番Aメロのボーカルエフェクト。キレのあるオチ。

とにかく前衛的

「アルバム曲」っぽさがあって良いですよね。
フルアルバムには1曲くらい「これは絶対シングルにはできないな」という曲があって欲しいものです。

でもメロディーラインはキャッチーで耳馴染みが良い。ポップスとしても秀逸な一曲です。

このアルバムは全体的に「アニメの音楽CD」より「バンドのアルバム」であることを重視しているなぁと感じます。作品としての完成度への執着心がすごい。

アルバムというのは、全体がひとつの作品ですからね。
曲順や全体の世界観など、やっぱり曲単体ではわからない「バンドの魅力」や「バンドが伝えたいこと」が表れるものです。

7.あのバンド

第8話劇中歌。

緊張感のあるハードなオルタナティブロック・ナンバー。

歪んだキレッキレのカッティングがかっこいい。
なんか、ミッシェル(THEE MICHELLE GUN ELEPHANT)とかを彷彿とさせるインディーロック、ガレージロックな雰囲気ですね。

単調なAメロと、伸びやかながら盛り上がりきらないサビ

全体的に淡々としたメロディー、でも演奏は大きく荒ぶる。
これぞロックという感じがします。

パワフルでキャッチーなメロディーでなくとも楽曲に抑揚…というか躍動感を出すことは可能なんですよね。

ボーカルよりもギターやベース、ドラム…楽器のサウンドに重きを置いた楽曲だと思います。

2番後の間奏が美しいですよね。ベースのフレーズといい、リバーブのかかったギターソロ。
そこからのスネア連打、反響強めのボーカル。

落ちサビでの展開もアツい!

手掛けたのは草野華余子さん。鬼滅の刃での起用など、アニソンファンにも広く知られた人気ミュージシャンですね!

こういった曲をアニメの中で披露してくれるのは、嬉しい。
アニメ、特に音楽系の作品は、やっぱり演奏シーンが醍醐味ですし、そこが一番見どころだと思います。

8話はシナリオも良かったですよね。

サブタイトルは「ぼっち・ざ・ろっく!」

その名の通り、主人公・後藤ひとりの中のロック魂が覚醒していました。

実際にもあるんですよね、そういうの。
ライブでしか起こせない奇跡というか、偶発的な輝き

楽譜通り弾いたとしても、2度として同じ演奏は出来ないんですよね。
そういうライブのワクワク感を伝えてくれるエピソードだったと思います。

8.カラカラ

特徴的なリズム取りで始まるエモーショナルなロックチューン。

ボーカルはリョウ先輩。

ヘビーなギターサウンドに乗せたひんやりとした歌声が美しい。

Bメロの幻想的なアレンジが魅力的!

個人的にはピロカルピンやnano.RIPEなんかが思い起こされました。
伸びやかなボーカルとせわしないギターの絶妙なバランスが、良い。

こういった空間を意識したサウンドメイク、良いですよね。バンプとか。

この楽曲を手掛けたのはtricot、ジェニーハイのボーカルとして知られる中嶋イッキュウさん。

うーん、たしかに言われてみれば、といった感じ。
イッキュウさんの歌声にも合いそうですね。セルフカバーしてくれないかな。

そして、アニメEDで聴いたときから思っていましたが、リョウ先輩(CV. 水野朔)の声良いですよね。

ちょっとウィスパー気味で細いのに、力強さもある。
高音の倍音が多いタイプで、最初にも書いたように「冷たい」声質です。
クールなリョウ先輩のキャラクターにも合っていますね。

高音域の「抜け感」が魅力的です。脱力系の歌声ってなんかクセになるんですよね。
その究極系が「相対性理論」なのかな、なんて思ったり。

9.小さな海

コーラスの効いたしっとりとしたアルペジオで始まるロックナンバー。

これは… 非常に良い!

こういう静かな入りの楽曲って良いですよね。徐々に盛り上がっていく感じとか。

しっとりとした1コーラスから、力強いパワーポップへと一転!
ドラマティックなアレンジにうっとりです。

マーチングなスネアロールも相まって、ちょっとアジカンっぽい。

特に、『マジックディスク』とか『ランドマーク』辺りの。

あの辺のアジカンって、展開に凝っている傾向にあったと思います。

というか、邦楽ロック全体として。

サカナクションとかRADWIMPSとか世界の終わり(SEKAI NO OWARI)とか…

非常にボリューム感のある、引き込まれる音楽。

満足感は高いけれども、こってりし過ぎない、何度聴いても飽きの来ない楽曲。

この「小さな海」もそういった魅力があります。繰り返し聴いてもワクワクが止まらない。

10.なにが悪い

10曲目はキュートなポップロックチューン。

アニメのエンディングその3。

歌っているのは虹夏(CV. 鈴代紗弓)。いわゆる「アニメ声」が光る楽曲ですね~。
虹夏ちゃんは本当に「キュート」という言葉が良く似合う。

ノリのいいリズムとキャッチーなメロディーが楽しい1曲。とにかく楽しい!!

チャットモンチーとかいきものがかりとか、あるいはネクライトーキーな雰囲気。

手掛けているのはガールズバンドthe peggies・北澤ゆうほさん。
そうか、ペギーズだ!!

『さらざんまい』「青ブタ」なんかの主題歌を手掛けているので、アニメファンからの人気も高そうですね。爽やかで可愛らしいロックが魅力的です。

この曲、「アニソン」としてかなり面白い構成になっているんですよ。

出だしのフレーズが最後にもう一回出てくるんですけど、これがサビではない、という。

「サビよりも目立つフレーズ」がド頭に来るというのが個人的には、面白い。
なんというか、尾崎豊の「I LOVE YOU」とかね。

曲の雰囲気に合わせてボーカルも変わる…バラエティ豊かなバンドです。

11.忘れてやらない

イントロのギターソロが清々しい、ストレートなギターロック。

最終話の劇中歌…文化祭ライブで披露された楽曲ですね。

うーん、王道。
メロディー、アレンジ、サウンド…どれを取っても直球ドストレートなギターロック。

特にベースラインの安心感がスゴイ
動き回る変則的なベースも好きなんですけど、こういった あるべき動き方をするベースも良い!

ベースってやっぱり楽曲の下地になる部分だと思うので、こうどっしりと構えてもらえると聴いていて気持ちいいものです。

4つ打ち感の強いシンプルなエイトビートを基調としたドラムも爽やか!

そして、余計なことをしないシンプルな構成も良いですね。
伸びやかなAメロ、ワクワクが止まらないBメロ、そして力強いサビ。
3分半という長さが、信頼できる。

あとは、サビのメロディーがやっぱり気持ちい。
この、言葉を詰め過ぎない伸び伸びとした歌詞割り。落ち着く~

総じて心が落ち着く曲
…この感覚、わかる人だけわかってくれればいいです。

12.星座になれたら

スラップとカッティングでキメた、ファンキーなギターロック。

大好きです。

こういったグルーヴ感の強いダンサブルなロック、良いですよね!

サンボマスターとか、TRICERATOPSとか。渋いとこだと鶴とかね。
もっと言うと山下達郎とかも大好きです!

サビの裏打ちのいハイハットが良いですね~。
なんというか、垢抜けてる~!!

アニメだと前曲同様 最終話で披露された楽曲なんですが、最後に相応しい感じがします。

アップテンポな楽曲も盛り上がりますが、ノリやすいのはこういったミドルテンポのダンスナンバーなんですよね。
こんな曲が文化祭で演奏されたら、盛り上がるだろうな~。

しかし、結束バンドはこういった曲もできるんですね~。
作中だとリョウ先輩が作曲を担当していることになっていますが、彼女の音楽性の幅広さが伺えますね。きっと色んな音楽を聴いているんだろうなぁ。

リョウ先輩もですが、コレを弾くぼっちちゃんもなかなか芸達者ですよね。ワウまで使いこなせるとは…さすがはギターヒーロー。その名は伊達じゃない。

13.フラッシュバッカー

クールなスローナンバー。

なんともオルタナティブ
「オルタナティブって何?」と訊かれると答えには困りますが、なんというか、とにかくオルタナティブなんだ!!

まず、イントロが良いですよね。これまでの楽曲とは一線を画すサウンドメイキング。
タメのある重めのリズム取りもエモーショナル。

喜多ちゃんは可愛らしい曲もカッコいい曲も、更にはバラードも似合いますね。
結束バンドのボーカルが彼女で良かった。

なんというか、哀愁に溢れていますね。「フラッシュバッカー」というタイトルもまた趣きがあります。

しっとりとしたバラードでありながら、ハードで力強いサウンドが、ロック。

特に落ちサビから大サビへの流れが痺れますね。ロックバラードはやっぱりこうでなくちゃ。

そこから続くアウトロの余韻も美しい…

ついに来た、結束バンドのバラード曲。
見事に待ち望んでいたドンピシャの楽曲が来ました。

なんでこんなにも、ロックファンの心をわかっているんだろう…

14.転がる岩、君に朝が降る

アルバムの最後を飾るのは、この曲。

「転がる岩、君に朝が降る」

アジカンことASIAN KUNG-FU GENERATIONのカバーです。

名曲ですよね。

リライトとか、君という花とか、ソラニンとか…その辺の楽曲に比べると少し知名度が落ちてしまう気もしますが、アジカンファン、ロックファンに愛されている1曲。

アニメの随所でアジカンネタを繰り広げてきた『ぼっち・ざ・ろっく!』の最後を飾りました。

この演出、本当に感動しましたね。
自分の好きなロックを、アニメを通じて改めて思い出したというか…
「あぁ、やっぱりロックっていいなぁ…」と。

アジカンボーカルの後藤さんも仰っていましたが、アジカンを始めとするバンド達が「ロックの不良性」を取り払ってくれたのだと思います。

「激しいだけがロックじゃない」

アジカンが、くるりが、BUMPが…数々のバンドが教えてくれた大切な価値観を、『ぼっち・ざ・ろっく!』そして、結束バンドが受け継いでくれた気がしました。

原曲への敬意が感じられるアレンジ、そして後藤ひとり(CV. 青山吉能)の歌声。
彼女の歌声には得も言われぬパワーがあります。

単調としているようで、躍動的で…力強いのに寂しさもある…

この混濁とした、それでいて芯のある歌声が、「転がる岩、君に朝が降る」の情緒に良くマッチしています。

不安定な「脆さ」というのは、時に美しく思えるものです。
だからロックは美しい。

総評

そんなわけで、結束バンドの1stフルアルバム『結束バンド』でした。

このアルバムに対して言えるのは、ただ一つ… ありがとう!!

ロックファンが求めていた「理想の形」を見事に築き上げてくれました。

これを機に、もっとたくさんの人がロックの魅力に気づいてくれればいいな。

2022年の最後に、最高のアルバムに出会えました!

きっと2023年も…それからこの先ずっと、ステキな音楽に出会えることを楽しみに、
今回の記事はおしまいとさせていただきます。

最後までご覧くださった皆様、本当にありがとうございました。

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