社会現象にもなった、アニメ『けいおん!』。
この記事をご覧の方で、ご存じでない方はいらっしゃらないと思いますが一応紹介すると、
『けいおん!』は2007年から2010年まで「まんがタイムきらら」で連載されていた、かきふらい先生による4コマ漫画です。
2009年にはアニメ化し、その名をアニメ史に刻みました。
さて、そんな『けいおん!』には魅力的で個性豊かなキャラクターが数多く登場するのですが、これらの登場人物の名前の多くは、実在するミュージシャンの名前をもじってつけられています。
これもまた有名な話ですね。
今回は漫画と音楽が大好きな私が、改めて各キャラクターとその由来となったミュージシャンについてまとめていこうと思います。
Ⅰ.放課後ティータイム→P-MODEL
作中のメインキャラクターが所属している架空のバンド「放課後ティータイム」のメンバーの名前は、バンド「P-MODEL」に由来します。
P-MODELは、1979年に結成され2000年に無期限活動休止となりましたが、メンバーの変遷やその形態についてはとにかく複雑なのでここでは割愛します。スミマセン。
それでは、それぞれのキャラクターと、その由来となった人物について見ていきましょう。
1.平沢唯→平沢進
まずは、主人公・平沢唯(ひらさわゆい)について。
彼女は、作中に登場するオリジナルバンド「放課後ティータイム(以下、HTT)」のギターボーカルです。
ボーカルでありながら、リードギターを務めるという器用なギタリストですね。高校からギターを始めたという設定ですが、その技術はすさまじい。プロ顔負けの迫力あるプレイイングがカッコいいですね。
使用している楽器は、ギブソンのレスポール。見た目に似合わずゴツいギターを弾いていますが、今となっては「唯といえばレスポール」というイメージが浸透していますね。
彼女に憧れてレスポールを買ったという方も少なくないんじゃないでしょうか。高いですが。
さて、そんな平沢唯の名前の由来となったのが、P-MODEL・平沢進さんです。
実はここまでも『けいおん!』好きの間では有名な話で、ニコニコ動画やTwitterなどではそれについてネタにされることもしばしば。なんと、平沢進氏本人も言及したことがあるんだそうで…
平沢進さんといえばアニメ映画『パプリカ』の音楽を担当したりと高い知名度を誇りますが、彼をここまで有名にしたのは、その音楽性ですよね。
P-MODEL時代から、個性的というか、奇抜な音楽を作り続けています。いわゆる「電波ソング」というやつでしょうか。とにかくその中毒性の高い楽曲たちの虜になる方が数多くいらっしゃいます。
平沢進さんの代表曲と言えばやっぱり『パプリカ』挿入歌である「パレード」ですね。その世界観にズルズルと引きずり込まれてしまいます…
個人的に好きな楽曲は「庭師KING」です。興味のある方は是非。
彼も、平沢唯同様、バンドP-MODELではギターボーカルを担当していました。
が、近年ではテスラコイルやレーザーハープなど様々な楽器を演奏しているイメージがあります。
「多様性」に富んだそのスタイルも人気の秘訣なのかもしれません。
2.秋山澪→秋山勝彦
次は秋山澪(あきやまみお)。
彼女はHTTのベース兼ボーカルで、作詞担当でもあります。
クールな見た目に反してその乙女チックな内面に惹かれた方も少なくないのではないでしょうか。
彼女の特徴と言えば、左利きであること。そのためベースもレフティ(左利き用)を使用しています。
現実では左利きでも右利き用を使う方も多い(私もその一人です)ので、結構珍しい気がします。
最近だとWANIMAのKENTAさんが、彼女と同じレフティのベーシスト(しかもボーカル)ですよ。
バンド結成以前からベースの経験があり、腕前は確か。動き回るベースラインが彼女たちの楽曲を豊かなものにしています。また、キレのある澄んだボーカルも人気です。
使用楽器はフェンダージャパンのジャズベースです。王道ですね。レフティですが…
さて、そんな彼女の名前の由来となったのが、P-MODEL・秋山勝彦さん。
彼もまた、バンドでベースを担当していました。
とはいえ、P-MODEL脱退後のライブサポートではギターやキーボードを演奏したりとマルチプレイヤーとして活躍なさっています。
というか、P=MODELは、皆さん様々な楽器を担当しているのですが…
また、HTTは、「秋山澪・作詞、(後述する)琴吹紬・作曲」での楽曲づくりが基本ですが、P-MODELは作詞・作曲ともに平沢進さんが担当していることが多く、秋山さんが作詞をする場合は、作曲も担当していることが多いです。
HTTの秋山澪は、ボーカルとしてセンターに立つことも多いので唯に匹敵する「HTTの顔」的存在ですが、P-MODELの秋山さんは在籍期間が結構短いんですよね…
それでも結成当時のメンバーなので、バンドを支えた重要な存在であることには違いありません。
3.田井中律→田井中貞利
3人目は、”りっちゃん”こと田井中律(たいなかりつ)。
彼女はHTTのドラマーで、桜高軽音部の部長です。
その明るい性格でバンドのムードメーカーを担っていますが、お調子者で澪から喝を入れられることもしばしば…
そんな彼女ですが、周りをグイグイ引っ張っていく姿勢から部長としての風格も感じさせてくれます。弟がいるためか、意外と面倒見がいいのもポイントですね。
使用するドラムはヤマハのヒップギグ(シンバル類はジルジャン)です。黄色いカラーが彼女の明るいイメージと良くマッチしています。
パワーポップの立役者THE WHO(ザ・フー)のドラマーであるキース・ムーンに憧れているだけあって、迫力あるプレイイングが魅力です。
言及されていませんが、パンキッシュでポップな楽曲が多いHTT…ひょっとするとメンバー皆パワーポップが好きなのかもしれません。
さて、彼女の名前の由来となったのは、こちらもP-MODELの初代ドラマー・田井中貞利さん。
律同様、初期P-MODELの特徴であるパンクミュージックにマッチしたパワフルなドラマーです。
また、「走り気味」と称される点でも両者は似ているようです…
一度はバンドを抜けたもののその後復帰するなど、メンバーの入れ替わりが多いP-MODELの中では、在籍期間の長いメンバーです。 平沢進さんと気が合ったんでしょうか?
脱退後は音楽業界から離れたと言われているものの、1997年には彼をモデルとしたバーチャルドラマー「TAINACO」がライブに登場するなど、P-MODELにとっての彼の存在の大きさがうかがえます。
ちなみに、『けいおん!』のことは認知しているようで、律モデルのドラムスティックを購入したことが公言されています。
4.琴吹紬→ことぶき光
4人目は”むぎちゃん”こと琴吹紬(ことぶきつむぎ)。
HTTのキーボードと作曲を担当しています。
大企業のお嬢様であるためか、少し世間知らずなところがある少女です。
おっとりとした優しい性格でバンドを支える保護者的存在ですが、唯がギターを買う際に手助けしたり、合宿として別荘を貸し出すなど、経済的にも支えているようです。
また、保護者的存在とは言ったものの好奇心旺盛で子供っぽい一面も。アニメでは「庶民的な暮らし」に憧れを抱いている姿が顕著に描かれていました。
使用するキーボードは、KORGのTRITON Extremeや、RK-100(ショルダーキーボード)など。
小さい頃からピアノを習っていてその腕は確かです…が、HTT楽曲はギターメインの楽曲が多く埋もれがちなのが悲しいですね…
多くの楽曲でコーラスを務めるほか、「Honey sweet tea time」ではメインボーカルを務めています。ファンの方は必聴ですね。
彼女の名前の由来となったのが、P-MODEL・ことぶき光さんです。
むぎちゃん同様バンドではキーボード・シンセサイザーを担当しました。また、平沢進さんほどではないものの、作曲も担当しています。
彼は前述の三人とは異なり、途中加入のメンバーです。初代キーボーディストは田中靖美さんですが、HTTには田中さんがいないんですよね…
そんなわけで彼は在籍期間が短いのですが、P-MODELの黄金期(諸説あり)を支えたメンバーです。
前述の通り彼は一部楽曲の作曲を担当し、数多くの名曲を送り出しています。
キーボーディストらしい、シンセサイザーを多用したキラキラ・ピコピコしたサウンドが特徴で、平沢さんの作る楽曲とは違った奇抜さを持っています。
代表曲は、その独特な音楽やMVの映像がニコニコ動画でも話題になった「2D OR NOT 2D」でしょうか。
とにかく落ち着きのない感じが、楽しいです。一度聴いたら頭から離れないのはP-MODELの特色ですね。
ちなみに、琴吹紬と言えば、中の人(担当声優)も寿美菜子(ことぶきみなこ)さんなんですよね。
「寿さん」演じる「琴吹さん」の由来となったのが「ことぶきさん」です。わかりにくいですね。
5.中野梓→中野照夫
5人目は、”あずにゃん”こと中野梓(なかのあずさ)。
彼女は放課後ティータイムのギタリストで、前述4人の後輩にあたります。
そのため作品の途中から登場します。
途中加入のメンバーではありますが、その人気はすさまじいですね。
唯一の「後輩」としてそのポジションを確立しています。
しっかり者で、何かとだらけやすいバンドを後輩ながら引き締めています。また、幼少期からギターを弾いていたこともあり、技術面でも支えてくれていますね。
使用楽器は、フェンダージャパンのムスタング。「キャンディーアップル」と呼ばれる赤いボディ(彼女がそう歌っているのでそうなのでしょう)が可愛らしいです。また、小さく扱いやすいのが特徴ですが、キレのある個性的な音が、カッコいい。
プレイイングについては、唯同様女子高生とは思えない技巧派で激しさが目立ちます。
4人ver.と5人ver.の両方が存在する楽曲(Cagayake!GIRLSなど)で比べて頂くと、楽曲において彼女のギターが楽曲をより豊かなものにしているのがよくわかります。
他のメンバーの後輩である中野梓。彼女の名前の由来となったのが、同じくP-MODEL途中加入メンバーの中野照夫さんです。
P-MODEL脱退後は中野テルヲとして、LONG VACATIONのメンバーとして活動したり、自作楽器を用いたパフォーマンスを行っています。
ですが、これまでの4人とは大きく異なる点がひとつ。
それは、彼が梓と違いギタリストではないという点です。中野照夫さんはP-MODELで、ベーシストを務めていました。
つまり、秋山さんの後継者のひとり、というわけです。
ここからお分かりの通り、「放課後ティータイムのメンバーはP-MODELのメンバーが名前の由来となっている」といったものの、平沢・秋山・田井中・ことぶき・中野の5名が同時に在籍していた期間というのは存在しないのです。
MAXで、秋山さん脱退、中野さん加入、ことぶきさん加入のタイミング(4人)ですね。
上記5名の中だと、中野さんではなくことぶきさんがもっとも遅く加入したメンバーとなります。
その中で何故この5人が選ばれたのか…は「かきふらい先生のみぞ知る」と言ったところですね…
まぁ、そもそもP-MODELから名前をとったとは公言されていないのですが。
Ⅱ.HTTの周辺人物
メインとなる放課後ティータイムは、P-MODELのメンバーから名づけられたことがわかりましたが、他の登場人物はどうなのでしょうか。
次は、軽音部を取り巻く人物について見ていきましょう。
6.山中さわ子→山中さわお
バンド名「放課後ティータイム」の名付け親で、HTTを支えるのが桜高軽音部の顧問・山中さわ子です。
桜高軽音部のOGで、当時は「DEATH DEVIL」というメタルバンドでギターボーカルを務めていました。
教師である彼女にとって黒歴史でもあります。
メタルバンド出身ということもあり、その腕前は相当なものです。タッピングを使いこなす技巧派で、ジミ・ヘンドリックスの代名詞「歯ギター」も習得済みとか…
高校生時代は、少々(?)尖っていたようですが、教え子たちから人気のある優しい教師ですよ!
そんな彼女にも名前の由来となった人物が存在します。
…というか、知っている人にとっては一番わかりやすい。
その人物というのがロックバンド・the pillows(ピロウズ)の山中さわおさん。
公言はされていませんが、これは間違いないでしょう。
the pillows(ピロウズ)は、日本国外からも絶大な支持を得ている世界的ロックバンドです。
代表曲「FUNNY BUNNY」は、アクエリアスのCMに使われたり『SKET DANCE』の作中で披露されるなどリリースから20年以上経った今でも歌われる名曲です。
この曲が収録されているアルバム「HAPPY BIVOUAC」は名盤ですね。好きです。
山中さわおさんはピロウズのギターボーカルで、作詞作曲も担当しています。
洋楽のような独特な歌い方や、わかりやすくも深みのある、ときどきお茶目な歌詞が魅力的ですよ。
ちなみに言っておくと、ピロウズはデスメタルバンドではありません。
実は『けいおん!』の中にはピロウズのメンバーから名前がとられた(と思われる)キャラクターが他にも存在します。次は、その人物たちを紹介していきます。
7.真鍋和→真鍋吉明
主人公・平沢唯の幼馴染で、生徒会としてHTTの活動を見守る真鍋和(まなべのどか)。
赤いメガネが特徴的で、落ち着いた品のある立ち振る舞いは、まさに優等生。
幼馴染の唯に振り回される苦労人ですが、彼女の善き理解者でもあります。
軽音部とは少し距離を置いた位置にある真鍋和ですが、彼女にも名前の由来となったミュージシャンがいます。
それが、真鍋吉明さんです。
彼は、前述した山中さんと同じくピロウズのメンバーで、ギターを担当しています。
レコーディング時にはミックスにも携わり、ピロウズのキレのあるギターロックサウンドを支える存在です。
真鍋和同様、彼もまたメガネ…というかサングラスがトレードマークです。
「和ちゃんが軽音部に入部して、HTTでギターを?!」なんて期待をしたりもしましたが、そんなことは無かったですね。まぁ、生徒会ですし。
8.鈴木純→鈴木淳
次に紹介するのは鈴木純(すずきじゅん)ちゃん。
彼女は中野梓と後述する平沢憂の同級生です。秋山澪や兄の影響でベースを始めました。
アニメシリーズでは桜高ジャズ研究会に在籍しています。
また、この2人とは後に「わかばガールズ」を結成し、ともにバンド活動を行います。
明るいお調子者で、天然パーマのツインテールが特徴です。それをネタにした彼女のキャラクターソングも存在します(純情Bomber!!で検索)。
さて、そんな彼女の名前の由来となったのが、ベーシストの鈴木淳さん。
鈴木淳さんは、前述のthe pillowsでベースのサポートを行っていました。
ライブやレコーディングなどで、ピロウズと共に活動していた、欠かせない存在です。
「バンドには加入せず外からサポートする」というポジションが、純ちゃんを連想させます。
9.曽我部恵→曽我部恵一
曽我部恵(そかべめぐみ)は、舞台となる桜が丘高校の生徒会長です。
HTT・秋山澪は、その美しい容姿から「秋山澪ファンクラブ」というものを有しています。ま、非公認ですが。
そのファンクラブの発起人であり、初代会長こそが曽我部恵なのです。
秋山澪を溺愛しており、ストーカーまがいの行動に出たことも。
そんな隠れお騒がせキャラの彼女ですが、実は彼女にも由来となったミュージシャンがいるんです。
それが、サニーデイ・サービスのボーカル・曽我部恵一さんです。
サニーデイ・サービスは、1994年デビューのロックバンドで、従来のフォークソングやシティポップの要素を取り入れた独自のスタイルで人気です。大型フェス「RISING SUN ROCK FESTIVAL」の第1回ではトリを務めました。
代表曲は…なんですかね。「青春狂走曲」とか「桜super love」とかでしょうか…
個人的には2020年にリリースされたアルバム「いいね!」が大好きです。
いわゆる黄金期は存在せず、常に進化を続け音楽業界を長く刺激し続けているバンドといった印象です。
サニーデイサービス外でソロとして活動する他、「曽我部恵一BAND」を結成するなど、精力的な活動をしていますよ。
メディア露出は少ないですが、フェスやライブイベントでは欠かせない名アーティストだと思います。
10.堀込先生→キリンジ
堀込(ほりごめ)先生は、桜が丘高校のベテラン教師で、山中さわ子が高校三年生のときの担任でもあります。
作中での登場回数は少ないですが、そんな彼にも由来となった人物…というかアーティストがいます。
それが、キリンジです。
音楽好きの方なら、「堀込」という苗字を聞いて、まず思い浮かべるのがキリンジでしょう。
キリンジは、シティポップを基盤にしたクールでオシャレな楽曲が魅力のユニットです。
代表曲「エイリアンズ」は、一生語り継がれるであろうJ-POPの名曲ですよね。
個人的には「アルカディア」という曲がオススメです。
さて、そんなキリンジのメンバーというのが、堀込泰行さんと堀込高樹さんです。
名前からお察しの通り、兄弟です。
兄弟ならではの息の合った掛け合いや演奏がたまらないんですよね~。
どちらが、というわけではなく、おそらく「堀込兄弟」そのものが由来となっているのでしょう。
Ⅲ.わかばガールズ
『けいおん!』完結後の物語『けいおん!high school』では、唯たち4人が卒業した後の桜高軽音部が描かれています。
中野梓、鈴木純、そして唯の妹で2人の同級生・平沢憂を中心に、彼女らが結成したバンドが「わかばガールズ」です。
次はわかばガールズのメンバーと、その由来となった人物について見ていきます。
11.平沢憂→平沢裕一(?)
平沢唯の妹・憂は、のんきな姉とは対照的に非常に「できた子」です。
成績優秀で礼儀正しく、家では家事をこなし、年上であるはずの姉の勉強の面倒を見るといった具合。
2年進級&軽音部加入時にギターを始めた彼女ですが、その上達ぶりは姉以上。まさに天才です。
そんな彼女の名前の由来となった人物は… 実は断言できる方がいないんですよね。
平沢唯の由来となった平沢進さんには、妹ではなく兄がいます。
それが、平沢裕一さんです。
彼は、ミュージシャンではなくグラフィックデザイナーで、P-MODELのジャケットなどを手がけています。
また、一部の楽曲で作詞を担当するなど弟・平沢進さんとの親交は深いようです。
『けいおん!』の平沢姉妹もとっても仲良しですよね。
おそらく彼が由来なのではないかと思われますが、憂(うい)という特徴的な名前が付けられたわけが気になるところです…
12.奥田直→奥田民生(?)
中野梓たちの後輩であり、「わかばガールズ」のメンバーである奥田直(おくだなお)。
楽器が苦手な彼女はコンピューターを用いた楽曲制作、いわゆるDTMや、ライブでのPAを担当する裏方的ポジションです。
歌うことが好きで、ボーカル候補に挙がったこともありますが、その実力からナシになりました。ま、梓もひとのことは言えないんですけどね…
彼女の由来となった人物、それはおそらくユニコーンのボーカル・奥田民生さんですね。
根拠はないのですが「奥田」と言えば、この方でしょう。
奥田民生さんは、言わずと知れたシンガーソングライターですね。
代表曲は「さすらい」、「イージュー★ライダー」、「愛のために」、「野ばら」…などでしょうか(多すぎますね)。
個人的に好きなアルバムは「股旅」です。
キャッチーなメロディーと、遊び心溢れる歌詞が魅力的です。PUFFYのプロデュースでも知られていますね。
なんというかちょっと男臭くて「ダサカッコイイ」感じが癖になりますね。
13.斉藤菫→斉藤和義(?)
梓たちの後輩で、直の同級生・斉藤菫(さいとうすみれ)。
わかばガールズでは、ドラムを担当しています。ストレス発散になりそうだから、という理由で始めた経緯を持ちます。
また、HTT・琴吹紬の家の従者家系の人間でもあり、紬とは姉妹のような関係です。
そんな彼女の名前の由来となった人物は… 残念ながら断言できません。
なぜかというと、斉藤さん、多すぎるからです。
ただ、個人的に「この人かな…?」と思っている方がいるので紹介します。
それが、斉藤和義さんです。
斉藤和義さんといえば、ロックでキャッチーな楽曲とわかりやすい歌詞で広い世代に人気のシンガーソングライターです。
代表曲は、「ずっと好きだった」や、『家政婦のミタ』の主題歌「やさしくなりたい」、「歩いて帰ろう」あたりですかね。
個人的に好きな曲は、「ベリー ベリー ストロング」です。
なぜ彼だと予想したかというと、奥田直の由来となった(と思われる)奥田民生さんとの親交が深いからです。
どちらもバンド「カーリングシトーンズ」のメンバーであったり、ライブで共演したり、またどちらも50代半ば(2021年現在)と同世代です。前述ピロウズのメンバーも同世代ですしね。
そんなわけで、私は菫ちゃんの名前の由来は斉藤和義さんであると予想します。
ま、かきふらい先生に訊いてみないとわかりませんが。
Ⅳ.『college』の登場人物
長くなってきたのでここからは足早になってしまいますが、お次は唯たちの大学進学後を描いた『けいおん!college』のキャラクターについて紹介していきます。
14.恩那組→TRICERATOPS
唯たち4人が進学先・N女子大学の軽音部で活動を共にする3人組バンド「恩那組」。
そのメンバーは、和田晶(わだあきら)(Gt.)、林幸(はやしさち)(Ba.)、吉田菖(よしだ あやめ)(Drs.)も3人。
作中では「放課後ティータイムのライバル」の位置づけをされていますが、学年や学部、寮などお互いの共通点も多く、対立することはなく仲良く活動をしています。
そんな彼女たちの名前の由来となったのが、同じくスリーピースのロックバンド・TRICERATOPS(トライセラトップス)です。
TRICERATOPSは、和田唱さん、林幸治さん、吉田佳史さんの3人からなるロックバンドで、シンプルで王道なギターロックサウンドが格好いいです。
アツさの中に、軽快な爽やかさも感じられるのが魅力だと思います。
彼らの代表曲といえば、ポカリスエットのCMに起用された「GOING TO THE MOON」でしょう。
この楽曲が収録された「A FILM ABOUT THE BLUES」はロック好きなら一度は聴いて欲しい名盤です。
個人的には、「Rasberry」とか「FUNKY TALK」みたいなウキウキな曲が好きです。
ちなみに「TRICERATOPS」とは、トリケラトプスのことですが、バンドとしての読み方はトライセラトップスが正しいようです。
これはなんとなくのイメージなのですが、恩那組は「noodles」みたいなバンドなんじゃないかなぁと思っています。直球のカッコいいオルタナティブロックって感じの(わかる人いるのかなぁ…)。
15.4回生→THE YELLOW MONKEY
大学編の残るメインキャラクター・吉井香奈(よしい かな)と廣瀬千代(ひろせ ちよ)。
吉井香奈はN女子大学軽音部の4回生で部長です。パートはギター。
成人していることもあり、お酒を飲んでいるシーンがあったり「大人感」があります。
そのため「若さ」には敏感なようで、1回生の話題に食いついてくることも…
基本的には優しい先輩ですが、お金の管理や仕事はきっちりしていて、厳しいところがあります。
廣瀬千代も香奈と同じ4回生です。2人は仲良しのようで一緒にいる姿が描かれていることが多いです。
パートはベースで、かつては香奈とともにコスプレバンドを組んでいました。
クールでちょっぴりシャイな先輩です。
そんな彼女たちの由来となったのは、「イエモン」ことTHE YELLOW MONKEY。
イエモンは1988年に結成された日本を代表するベテランロックバンドです。
2004年に一度は解散したものの、2016年に同じメンバーで再結成されました。衝撃でしたね。
由来となったのは、ギターボーカルの吉井和哉さんと、ベーシストの廣瀬洋一さんです。
お二人ともスタイルが良くてカッコいいです。2人というか4人全員なんですけど。
ちょっとネットリとしたような、大人っぽいロックが魅力的ですね。今の彼らが演奏するとより深みが出ている気がします。
代表曲は、いろいろありますが「太陽が燃えている」や「熱帯夜」あたりでしょうか。
最近だとドラマ『砂の塔〜知りすぎた隣人』の主題歌「砂の塔」などがあります。
ちなみに私が好きなアルバムは「smile」です。
この他の4回生については語られていませんが、おそらくは「菊池さん」が存在するのでしょうね。
余談ですが、「千代」という名前のベーシストといえば、ゆらゆら帝国のベーシスト・亀川千代さんを思い浮かべました。下の名前は、もしかしたら彼からとられたのかもしれません。ま、関係ないかもしれませんが。
EX.『けいおん! Shuffle』→スカート
最後にオマケとして、『けいおん!』かきふらい先生による、新作『けいおん!Shuffle』について。
「Shuffle」は、唯たちが通う桜が丘高校とは同時期、同世界線の別の高校を舞台に繰り広げられる軽音同好会のお話です。
主人公がドラマーというのがなんだか斬新な気がします…
こちらは現在も連載中です。もしかしたら今後アニメ化なんてこともあるかもしれませんね。
「Shuffle」の主要人物と、そのパートは以下の通りです。
佐久間紫(さくまゆかり)(Drs.)…桜高の軽音部(HTT)に憧れバンド活動を始めます。パートはドラムです。
清水楓(しみず かえで)(Ba.)…紫の親友で、彼女同様HTTに感銘を受けます。天然です。澪に憧れベースを始めます。
澤部真帆(さわべ まほ)(Gt.)…上記2人の同級生で2人に流される形で入部。バスケ部と兼部することに。パートはギターです。
佐藤莉子(さとう りこ)(?)…3人の先輩で、同好会の代表です。紫たちが入部したときには彼女一人で活動していました。パートは不明ですが、おそらくキーボーディストなのでしょう。
岩崎しなの(いわさき しなの)(Gt.)…莉子と同学年の先輩です。海外留学から帰国後、同好会に復帰したギタリストです。
前作である『けいおん!』同様彼女たちにも、由来となったミュージシャンたちがいます。
それは、スカートとそのサポートメンバーたちです。
スカートとは、澤部渡さんが手掛けるソロプロジェクトです。そのため「澤部渡(スカート)」なんて表記をされることも。
ロックバンド・スピッツの楽曲「みなと」では口笛を担当するなど、業界で支持される実力派アーティストですね。
また、崎山蒼志さんブームのきっかけとなった『日村がゆく』の企画「高校生フォークソングGP」ではゲストとして出演していました(誰がわかるんだ)。
音楽としては、フォークソングを基盤にしたギターポップやギターロック、いわゆる「ネオアコ」がメインです。
爽やかでオシャレなサウンドが魅力的です。優しい歌声が癒されますね。
代表曲は、「遠い春」、「君がいるなら」あたりでしょう。
この2曲が収録された「トワイライト」は彼の魅力が詰まった名盤です。特に「沈黙」という曲がたまらない。
そして、彼を支えるのが敏腕ぞろいのサポートミュージシャンたち。レコーディングやライブに参加しています。
中でも由来となったのは、
佐久間裕太さん(Dr.)…ロックバンド・昆虫キッズのメンバーとしても活動していました。現行メンバーです。
清水瑶志郎さん(Ba.)…ポップスバンド・マンタ・レイ・バレエのメンバーとしても活動していました。
佐藤優介さん(Key.)…カメラ=万年筆のメンバーとしても活動しています。現行メンバーです。
岩崎なおみさん(Ba.)…ゲーム『MOTHER』シリーズの楽曲制作でも知られる鈴木慶一さんが結成したバンド・Controversial Sparkの一員として活動しています。現行メンバーです。
の4名です。
岩崎しなのはギタリストですが、岩崎なおみさんはベーシストです。また、澤部渡さんはギター以外にも様々な楽器を演奏するマルチプレイヤーです。
これまではバンドのメンバーから名前をとられるのがテッパンだった『けいおん!』ですが、新作ではスカートの共同制作者とはいえ全員異なるバンドのメンバーが由来となっています。
よっぽどスカートが好きなのでしょう。わかります。
前述サニーデイ・サービスもネオアコ系ですし、キリンジからも名前をとっているくらいですからね。
まとめ
というわけで、今回は『けいおん!』のキャラクターとその由来となったアーティストを紹介してきました。
登場したアーティストは、
・P-MODEL
・the pillows
・曽我部恵一(from サニーデイ・サービス)
・キリンジ
・奥田民生(from ユニコーン)
・斉藤和義
・TRICERATOPS
・THE YELLOW MONKEY
・スカート(とそのサポートメンバー)
でした。
かきふらい先生が自分の好きなミュージシャンから名付けたとしたら、彼の音楽の趣味がわかってイイですね。
王道ギターロックと、オシャレなギターポップがお好きなようです。
思えば単行本のカバーには彼のギターコレクションが写っていますしね。
バンドの漫画を描くくらいですからやっぱり音楽好きなのでしょう。
自分の好きなものを漫画にして、こうして音楽好きの読者が記事にして…
こういう繋がりって素敵ですよね。
『けいおん!』のお話というよりかは、マニアックな音楽語りになってしまいました…
最後まで見て下さった方には、頭が上がりません。
「放課後ティータイム」に関しては、コチラで楽曲レビューも行っていたりします。
興味のある方は… 疲れたと思うので日をあらためてご覧になってください。
これからも漫画やアニメを通じて、自分の「好き」を深めていければと思います。
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