オンライン上映『猫ちぐらの夕べ』、ようやく見ることが出来ました。

結論から言うと、なんというか…新鮮な公演でしたね!

北海道に住んでいると、東京の公演を観に行くのはなかなか難しいもので、こういった動画配信が本当に有り難いです

コロナの影響でライブ自体が中止になったり、延期になったり(“MIKKE”もそうですよね)…こういった配信ライブや上映会なんてものが新定番となりつつありますよね

今回のライブは、着席観賞の上、声出しに制限もあったので、普段みたいな盛り上がり方ができませんでした。それを考慮して、全体的に落ち着いた、聴き入るようなセットリストになっていたのが印象的です。

ここからはセットリストの流れに沿ってライブの感想を書いていきたいと思います。ネタバレ注意です!!

ではでは早速!↓↓

1.恋のはじまり

歓声ではなく拍手の中登場したスピッツ。やっぱり普段と違うなぁと思いつつも、「普段のライブでも拍手で迎え入れてるか…」と思ったり(笑)

スピッツファンは控えめ(上品)な方が多いですよね。

そして演奏が始まります。心の中で「マジか」と興奮したファンは少なくないでしょう。

サイケデリックなイントロで気分は爆上がりですが、なんといっても田村さんのベースですよ。フライングVって言うんですかね? スピッツには珍しい尖った楽器を… (まぁ、3050で草野さんもフライングV使ってたけど)

私はさわったことないんですけど弾きにくかったりしないんでしょうか…

形もそうなんですけど、ベースアレンジがとにかくカッコよかったですね。うねる様な力強いベースライン。「あれ?この曲こんなにカッコよかったっけ??」と驚かされました。

興奮冷めぬまま、気づいたら終わっていました。そして、早速の楽器チェンジです。

2.ルキンフォー

田村さんは早速白いプレベに持ち替え、草野さんもストラト(タイプ)からアコギに。このアコギは3050とかでも使っていたやつですよね多分(楽器に詳しくないのであまり下手なことは言えないですね…)。

そして、2曲目「ルキンフォー」でした。さざなみCDのレビューでも書きましたが、これぞ王道スピッツ!!

ゆったりとした曲調ですが、力強いサウンドが心に響きます。歌詞も前向きでいいですよね。

細かいところで言うと2番Aメロの三輪さんアレンジが気になりましたね。すごく印象に残ってます。

ルキンフォーはやるかな?とは予想していたものの「2曲目にもう持ってきたのか~」って感じでした。どんどん期待を裏切ってきますね。楽しいです。

3.空も飛べるはず

立て続けに王道曲!

そして草野さんはグレッチに、三輪さんはジャズマスター(あってるかな?)に持ち替えます。楽器チェンジ多すぎ… この組み合わせ、「ありがとさん」のMVを思い浮かべました。

曲とは全然関係ないんですけど、このグレッチの色、いいですよね。淡い緑が爽やかな演奏によく似合います。

演奏の方では、私はキーボードの音に注目しました。すごく良かったですよね?(語彙力)  ギターソロの音もなんですけど、とても伸びやかな印象を受けました

あとは、なんといってもドラムス・﨑山さんのコーラスですね。美しい!(語彙力)

聴くたびに「いい曲だなぁ」と思わされます。色褪せないどころかどんどん深みを増していきますね…

MC.1

ここで一旦MCを挟みます。

ライブが久しぶりすぎて容量がわからない…と嘆いていましたね。

あとは会場の反応に不満だったのか「クスクスも禁止なの?」と…笑

会場「東京ガーデンシアター」について、「丸い感じが”猫ちぐら”っぽい」と述べる草野さん。猫ちぐら、正直スピッツで初めて知った単語です。皆さんはご存知でしたか…?

草野「今日は君のために歌うぞ!」

こんな感じで、『猫ちぐらの夕べ』が始まりました!ごゆるりとね…

4.あじさい通り

イントロを聴いて「マジか…!」と思った曲ふたつ目。

アンニュイな雰囲気が魅力的ですよね! 

ところがライブを聴くと、結構カッコいい! 三輪さんのギターの鋭いサウンドがしびれました。あとは2番に入る直前の一瞬の静寂がたまらなかったです。

そしてこの曲でも﨑山さんがコーラスを(クージーさんもね)。スピッツは本当にコーラスが美しいですよね…

﨑山さん関連で言うと、ライドの音が心地よかったです。なんでこんなに奇麗なんだろう…

あとは田村さんがいつの間にか楽器を替えてましたね!ヴァイオリンベース!!

ライブバージョンを聴いて新たな魅力に気づいた一曲でした。

5.スカーレット

ここで草野さんが再びアコギに持ち替えます。

5曲目はスカーレット。 文句なしの名曲ですね。

三輪さんのアルペジオがとにかく、愛おしいのです。煌びやかでありつつもどこか控えめで繊細なメロディー…スピッツの魅力の一つは間違いなくこの「アルペジオ」ですよね。

3050でも演奏していましたが、そのときよりも印象に残っている気がします。あのときはヘビーメロウの直後だったからなぁ…

6.小さな生き物

草野さんがエレキに持ち替え、6曲目は「小さな生き物」。入りの弾き語りが印象的です。

そして田村さんも楽器をチェンジしてましたね。水色可愛い!

着席ライブだし、なんとなく「演奏しそうかな?」と思っていました。やっぱりやってくれました! 横浜サンセットでの演奏が印象深いですね!

基本的には音源通りかな?と感じましたが、ひとつ挙げるとしたらボーカルですね。エコーというかリバーブというか、反響が強めで「ライブ感」がありました!

そして歌が上手すぎますね。スピッツ研究会のマコPさんもおっしゃられていましたが、声量が半端ない。 ライブの見どころ(聴きどころ)ですよね。

白目を剝いちゃってますが真面目に解説なさってますよ!

7.魚

再びグレッチに持ち替え、メロウなイントロで始まった「魚」。

ファンから絶大な人気を誇る隠れた名曲。静かながらも会場のテンションが上がった感じがしました。

優しく、トロピカルなサウンド。特にベースの高音が美しかったです。激しいプレイングから優しくそっと撫でるようなプレイングまで、田村さんはとにかく表現力がスゴイですよね

音源の時点で十分すぎるほど魅力にあふれた曲ですが、ライブバージョンでは「楽しさ」数値がアップしますね。

MC.2

ここで一旦MC。

ツアーが延期になったり、ステイホームの日々に「ミュージシャンとしての自分」を見失いそうになったという草野さん…  ゲーム内の「自分」が強くなってしまったみたいですね笑 やっぱりあつ森ハマってたんですね…

昔、どうぶつの森について「音楽がイイ!」なんてことをお話していたようで。任天堂さん、とたけけライブとかやってくれないかなぁ…

来年3月でデビュー30周年ということで、デビュー時の話もなさっていました。私が生まれる前ですからね…歴史を感じます。

「20年ぶりくらいに披露します」と一言。 3人とも楽器を持ち替え、演奏再開です!!

8.ハートが帰らない

フワフワしたサウンドが特徴的なこの曲。アルバム『ハヤブサ』のリリースが2000年なので、かなりのレア曲ですね…

そして三輪さんが遂にレスポールを手に取りました! やっぱりレスポールが似合いますよね~。 田村さんは…黒いリッケンバッカー!!カッコいい!!

ハヤブサ収録曲は確かにライブ向きじゃない曲が多い気がします…「甘い手」とか。こういうライブだからこそ披露してくれたのかもしれませんね

ライブ演奏を聴いて「今の歌声に凄く合うなぁ」と思いました。サビのロングトーンや、湿っぽい感じが味わい深いです。

あとは、音源を聴いていてあんまり注目していなかったのですが、この曲ドラムがカッコいいですね!

9.猫になりたい

来ました、猫ソング!!

草野さんがエレキに持ち替え、イントロのメロディーを奏でます。伸びやかなサウンドが美しいですね~、甘~い。

ギターで言うと、Aメロの三輪さんが好きです。ミュート加減が、絶妙です。

こういうゆったりとした曲だからこそ、演奏の丁寧さがよくわかりますよね。ギター、ボーカルどれをとってもとにかく真っ直ぐで伸びやか!

一曲一曲を大事に大事に演奏する姿にうっとりしてしまいます。

10.君だけを

草野さんが再びアコギに持ち替え(忙しいですね…)、さてお次は何かと思ったら…

草野「君だ~~~けを~~」

私「なにぃ~~~?!?!?!」

ライブアレンジ、めちゃくちゃいいですね!!

アルバムに収録されている原曲は、どちらかと言うとストリングスによる「重め&暗め」な印象ですが、ライブバージョンは「ロック&爽やか」!!

どちらも魅力的ですが、ぶっちゃけライブバージョンの方が圧倒的に好きです。

軽めのアレンジが印象ですが、ドラムの”溜め”た演奏が原曲の重たさも感じさせてくれます。

﨑山さんのリズム感や表現力がすさまじいですね… アウトロのドラムに思わずときめいてしまいました。必聴です。

11.僕のギター

草野さんがアコギからアコギに、三輪さんもレスポールからレスポールに持ち替えての11曲目 (田村さんのベースも変わりましたね)。

イントロが始まった瞬間、テンションが上がりました! 大好きです、この曲。

さざなみCDのレビューでも書きましたが、この曲の見どころ(聴きどころ)はなんといっても「リズム隊の入り」ですよ。

「すこ~し~ずつ~」・・・「ダダダダ」 の部分です。しびれますよね!!(…そうでもないですか?)

演奏もボーカルも、とにかく伸びやかで清々しい。聴いていて本当に「気持ちいい」曲です。

あと、三輪さんのトレモロが凄かったですね笑 三輪さんもテンション上がってたんでしょうか。

MC.3

気分の昂ったところで、MCその3。

深呼吸の話から、草野さんが「ハートが帰らない」を弾き語り♪

田村さん、思わず「イイ声だな」。

あとは、『鬼滅の刃』のネタが出ましたね。会場にいたどれくらいの方がピンと来たのでしょうか…  三輪さん曰く「トレンドコロ」を押さえたトークでした。

ここで、草野さんは再びサンバーストのアコギに、三輪さんも黄色いレスポール、そして田村さんは先ほど猫になりたいで使っていた黒いボディに赤いピックガードのジャズベースに持ち替えます(男子中学生が好きそうなカラーリングです)。

12.猫ちぐら

2020年唯一発表された新曲で、今回のライブの表題曲でもあるこの曲。

まったりとした癒しソングです。TV出演時にも演奏していましたね。アコーディオンみたいな音色(おそらくアコーディオンではない)が印象的です。

﨑山さんは、ボンボンの付いたマレットを使っていましたね。なんとなく猫の前足みたいな気がしました(猫パンチ?)

この曲も僕のギター同様リズム隊が本格的に加わるところが好きです。

配信の音源もリバーブの効いたボーカルにライブっぽさを感じますが、実際のライブだとより包まれるような温かさがありました。猫ちぐらみたいな、ね。ポカポカ…

YouTubeの公式チャンネルで公開されましたね!

13.フェイクファー

ここで草野さんは再びグレッチを手にします。 田村さんはピック弾き!!

この曲の聴きどころは何と言ってもイントロのアルペジオですよね。
クリーンで奇麗なアルペジオはもちろん、こういった歪みの効いたアルペジオもしびれます。

ゆったりとした曲調ではありますが、しっかりロックなのがこの曲の良いところ。 田村さんも大分アガってきましたね笑

そして最後のパート(ここがサビなのか…?)のハイトーンボイス。凄かったですね。年々磨きがかかっています。

14.楓

ライブで何度でも聴きたいこの曲。

クージーさんがこの曲のイントロを弾き始めると、ふっと耳の感度が上がる気がします

ライブバージョンは、切なくも力強いアレンジが良いですよね。音に立体感があります。

なんといっても、大サビ前の弾き語りパートがたまらないです。歌声はもちろんのこと、アコギの音が本当に奇麗ですよね。雑味の無い真っ直ぐな演奏に思わずウットリしてしまいます。

草野さんはボーカリストでありながら、間違いなく一流のギタリストですね。無邪気な表現力と、大人の渋さを兼ね備えています。

15.みなと

演奏を終え再びグレッチを手に取る草野さん。田村さん三輪さんも楽器を持ち替えます。

楓に続いて、これまた名バラード「みなと」。 

2016年の”醒めない”ツアーでは1曲目に披露されていましたね。とても印象に残っています(あとは、Mステですね…)。 が、今回の みなと…

めちゃくちゃパワーアップしていませんか?!

サウンドをとっても、演奏をとっても、ボーカルをとっても、最高でした!

特に、田村さんの演奏がしびれました。この曲はピック弾きがよく合いますね。”醒めない”のときとは音の生命力が段違いでした笑

まだまだ演奏歴の浅い曲なのでこれからどうなるか分りませんが、「猫ちぐらの”みなと”」は今後語り継がれる代物であったと思います。 澤部さんの口笛が無かったのが悔やまれますね…

発表時から絶大な支持を得ていた曲ですが、今回のライブで盛大に化けましたね。この曲、実はとんでもない力を持っているのかもしれません…

16.魔法のコトバ

三輪さんが久しぶりにジャズマスターを手に取り、来ました! 魔法のコトバ!!

さざなみCDのレビューでは「アルバム全体のサビ」なんて表現をしましたが、今回も良いところに持ってきましたね。”醒めない”ではアンコールの1曲目に披露していた記憶があります。

やっぱりイントロの「始まり感」とアウトロの「終わり感」が良いですよね。どちらも同じメロディーなんですけど、どうしてこうも印象が違うものか…

満足感のあるボリューミーなアレンジ(亀田誠治ならではな感じがします)がライブだと楽しいですね。 コーラスも素敵でした。

「今日はありがとう」と一言。最後の曲が始まります。
こちらこそ、ありがとうございます!!

17.正夢

桃色の照明が幻想的ですよね。正夢とは言ったものの夢の中にいるような心地がします。

再びレスポールに持ち替えた三輪さん。レスポールが似合うギタリストTOP10に入りますね(個人の見解です)。逆に草野さんのレスポール姿は想像がつかないですね…

三輪さんといえば、サビの力強いストロークが印象的でしたね。繊細さと荒々しさを兼ね備えた演奏がスピッツ四人の魅力です。

田村さん、お客さんを煽ってましたね笑  田村明浩氏には1曲目と後半で別人になる習性があります。

全体的に落ち着いたセットリストでしたが、満足感は普段のライブに劣っていません。見事でしたね。

退場する一同、鳴りやまぬ拍手。 本当に素晴らしかったですね…

さあ、アンコールが始まりますよ!!

EN.1 初恋クレイジー

帽子をとって挨拶をした草野さんが印象的でした。4人とも今日は”紳士”な服装ですよね。

このイントロは…「初恋クレイジー」!!
「隠れた名曲」というイメージがあります。

クージーさんのリズミカルな演奏が心地よい

原曲はちょっとモヤっとして甘ったるいイメージがあったのですが(インディゴ地平線はこのモヤっとしたサウンドが特徴的ですよね)、ライブで聴くとけっこう爽やかですね。 違った良さがあります。

そして三輪さんはテレキャスター…? なんだか珍しい気がします。
草野さんのハーモニカ姿も印象的でしたね。

あとは、Cメロのアレンジも良かったですね。煌びやかで。
ライブバージョンを聴いて、よりこの曲が好きになりました。

MC.4

アンコール恒例のメンバー紹介。

田村「ライブ感高まってきた!!」「ライブはライブだね」「今日は一歩踏み出せた気がする

久慈「良い会場だね」「また会えるよ、約束しなくても

﨑山「アクリルの板、ソーシャルディスタンスっぽいね」「心を燃やせ←煉獄さん…

三輪「拍手、いいね!」「みんなも頑張ろう!

草野「一人ひとり全員にお礼を言いたいです」「面白い歌をこれからも届けていきたいと思います

ここで、「面白い歌」と表現した草野さん。良いですよね。
結構色々なところでこう表現している気がします。「いい曲」ではなく「面白い曲」。

EN.2 ウサギのバイク

草野さんがアコギに持ち替え(三輪さんはジャズマス、田村さんはプレべ)、アンコール2曲目は「ウサギのバイク」!

アルペジオが特徴的なこの曲。イントロのアレンジが華やかでしたね!

ドラムのリムショットの「カーーン」という音が良いですね。あとは金物の繊細なプレイングが素敵でした。 﨑山さんのドラムは本当に聴いていて心地よいですね…

耳に嬉しい一曲でした。

楽器交換を終え、一呼吸…
最後の曲は…

EN.3 ハネモノ

三日月ロックの名曲、「ハネモノ」!!

普段のライブでは「スパイダー」とか「野生のポルカ」とか「俺のすべて」とか、盛り上がる曲が大トリに来ることが多いですが…なるほど。

ギターのミュート音が絶妙な、ひっそりとしたイントロ。ここに被さるアルペジオの絶妙さ、ベースやドラムの絶妙なリズム感… 「絶妙」の2文字が良く似合うスピッツ随一の「絶妙ソング」。 …非常に絶妙です。

そして、これをトリに持ってくるとは… う~ん、なかなかどうして。絶妙です。

拍手オンリーという制約を逆手に取った選曲に、思わずため息が出てしまいますね。 ハネモノ万歳!!

田村さんの相変わらずの暴れっぷり、そして会場の一体感。大いに盛り上がりましたね!こんなに楽しい曲だったなんて!!

なんだか、ハッピーな幕閉じでした。満足感がハンパない。

ありがとうスピッツ!! 次は”MIKKE”で合いましょう!!!

まとめ

普段のライブではなかなか聴けないような曲があったり、会場も独特の雰囲気があって「新鮮」かつ「レア」なライブでした。

なんといっても爆上がり四天王の「8823」「恋する凡人」「けもの道」「俺のすべて」がコロナに感染して全員欠席していますからね。

こういうライブもアリですね! コロナが落ち着いても、気が向いたらでいいのでやって欲しいです。

今回の個人的 M V S ( Most Valuable Song ) は…

「君だけを」「みなと」の2曲です!!(←2曲かい)

この2曲、衝撃を受けました。ライブで化ける曲ってあるんですよね。
なんか、「久しぶりに会ったら雰囲気が変わっていた」とか「眼鏡をとったらイメージが変わった」みたいな、ちょっと「ドキッ」としてしまう良さがありました。

スピッツの新たな魅力に気づけた、そんな公演でした。
結成30年を越えてなお、前進し続けるその「姿勢」が何よりもカッコいいのです…