ASIAN KUNG-FU GENERATION『ソルファ』レビュー【名盤の庭002】

名盤紹介

今回紹介するのは、ASIAN KUNG-FU GENERATION(通称:アジカン)の『ソルファ』

私がアジカンを聴き始めたきっかけは…覚えていません笑

今から5年ほど前にベスト盤を借りてきて、それ以来ハマってCDを買い漁っています。

アジカンのアルバムと言えば、イラストレーター・中村祐介さんが手掛けるジャケットも魅力の一つです。大好きです。

『ソルファ』とは

2004年10月にリリースされた、アジカンの2ndアルバムです。代表曲「リライト」「ループ&ループ」などが収録されています。

オリコンチャートでは初登場1位を記録するなど、世に「アジカン」の名が広まるきっかけとなった作品だと思います。

収録曲

1.振動覚

本アルバムの1曲目。

アジカンならではの特徴的なギターリフゴリゴリのベースではじまるロックナンバーです。

後半のたたみかけるようなメロディーが生き生きとしていて心地が良いです。

2分半にアジカンの魅力が詰まった、入門アルバムのオープニングに相応しい一曲だと思います。

2.リライト

5thシングル。

アニメ『鋼の錬金術師』のOPにも起用され、アニメファンにも支持される名曲です。(ハガレンは名曲ぞろいですね…)

力強いシャウトや、鋭いサウンドが魅力のロックチューンです。鋼のような重苦しさがとにかくカッコいい!

言うまでもなく名曲です。「アジカンといえばリライト」というイメージを持つ方も少なくないと思います。(私的には そうかなぁ と思ったりもしますが)

2019年には平成アニソン大賞にも選出されました。

初々しいですね

3.君の街まで

6thシングル。

心地よいギターのメロディーから始まる爽やかな一曲。鋭いサウンドの多いアジカンには珍しい(そうでもない?)丸いギターサウンドが愛おしいです。

ギターの演奏にバリエーションがあって、とにかくギターが目立つ曲ですね。弾いてて楽しそうです。

最後の三連符が次曲『マイワールド』へと気持ちを繋げてくれます。個人的推しポイントです。

カオスなMVも魅力の一つです(?)

4.マイワールド

ゆったりとしたミドルテンポが、歌詞にも登場する「淡い夏」を感じさせるちょっぴりおセンチな一曲です。

激しくない楽曲だからこそ伊地知さんのドラムテクニックが光ります。金物(シンバル)が美しい!

あと間奏のギターソロがアジカンらしくて好きです。

いわゆる「エモさ」が感じられる、そんな曲です。

5.夜の向こう

生き生きとしたドラムが特徴的なエイトビートです。

間奏が長めにとられていたり、全体的に歪みの利いたサウンドがどこか幻想的な印象を与えます。

Aメロのあとにサビが来るタイプの曲と思いきや、実は最後に本当のサビが来るという構成。(Aメロ→偽サビ→Aメロ→Aメロ→偽サビ→真サビ)

買ってすぐの頃にリピートして聴きまくっていた記憶があります。

6.ラストシーン

繰り返されるフレーズや、複雑なドラム、全体的に強めなエフェクトが不思議な気持ちにさせてくれます。

全体的に落ち着いた雰囲気ですが、ドラムのバリエーションや絶妙な抑揚が飽きを感じさせません。

展開の読めないミステリアスな一曲です。深夜に聴きたいですね。

個人的にアルバム内で一番好きな曲です(2020年現在)。

7.サイレン

3rdシングル。入りの「キ――ン」というサウンドが「サイレン」を彷彿させます。アジカン屈指の名イントロだと思います。

Aメロからサビにかけて徐々に激しくなっていくアレンジが、強く印象に残る味わい深い一曲です。

この曲の別バージョン、俗に言う「サイレン#」(『フィードバックファイル』収録 )と聴き比べることで、よりこの曲の良さがわかるのではないでしょうか。

8.Re:Re

ハイハットの裏打ちと「繰り返される」ギターのフレーズが特徴的です。一度聴いたら忘れられない癖になる一曲です。

ライブバージョンだとイントロが長めにとられています(『フィードバックファイル』にも収録)。

22ndシングルとして2016年に再レコーディングされた際には、アニメ「僕だけがいない街」のOPに起用されました。

ちなみに、読み方は「アール・イー・アール・イー」です

9.24時

冒頭と間奏、ラストに登場するギターリフが印象深い一曲。

左右に振られた2本のギターの音や、ゴリゴリでシンプルなベースライン、力強いドラム…これぞアジカンサウンド!

1番と2番のBメロの進行が違ったり、シンプルに見えてけっこう難解な曲です…

10.真夜中と真昼の夢

16分で刻まれたハイハットとアルペジオがオシャレな一曲

間奏のベースラインも特徴的で、ギター、ベース、ドラム全楽器の魅力が詰まっていると思います。

この時期のアジカンには珍しく(?)、優しく語りかけるような歌い方(裏声で声を張らない感じ)も素敵です。

11.海岸通り

ゆったりとしたリズムと、アコースティックなサウンドが心地よい一曲。

ファン人気が高いイメージがあります。隠れた名曲というやつでしょうか。

その名にふさわしく、「夕暮れ時の海岸」をイメージさせる歌詞やサウンドがノスタルジックな気持ちにさせます。

暑い夏ではなく、穏やかな春の海岸というのがまた素敵ですね。

12.ループ&ループ

4thシングル。アルバムの締めは、ノリの良いダンスビートです。

「アジカンと言えばダンスビート」という個人的な偏見はこの曲(あと「君という花」)が作り出したものです。

ピタっと終わるアウトロで、すがすがしい気分になったところで、アルバムも終了。スカッとした爽快感がたまりません。

食後のレモンシャーベットって感じです(意味不明)

相変わらずのシュールなMVです…

総評

今回はアジカンの『ソルファ』を紹介しました。

収録曲や売り上げを見ても、アジカンの入口に相応しいアルバムだと思います。

スピッツ『さざなみCD』のレビューでもこう表現しましたが、こちらも「全曲シングル」でもおかしくないアルバムです。

このアルバムを漢字一文字で表すとしたら

「味」

…です!  アジカンだけに。

アジカンの味が出た、アジカンらしい一枚だと思います。また、聴けば聴くほどその魅力に気づかされる味わい深いアルバムです。

2ndアルバムということもありフレッシュさを感じられる一方で、かなりの完成度を誇ります。日本のロック史に欠かせない、まさに「名盤」!

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