アニメの放送から10年以上経った今でも多くのアニメファンから絶大な支持を得る『けいおん!』。
その人気の秘訣といえば、「女子高生×バンド」という斬新な設定、京都アニメーションによる美しく生き生きとした描写、可愛らしいキャラクター…などなどたくさんありますが、
何と言ってもTom-H@ckを中心とした一流ミュージシャンが手掛ける魅力的な音楽の数々ですよね!
作中で登場するバンド・放課後ティータイムは、ポップでありながら骨太なロックサウンドに乗せた唯と澪のツインボーカルが唯一無二の味を生み出しています。
2000年代のアニメソングとロックサウンドを掛け合わせた独自のスタイルは、アニメファンのみならず、日本中…世界中の音楽ファンを魅了しています。
今回は、そんな放課後ティータイム(以下、HTT)ファン必見!
「HTT好きにオススメのバンド」と題して、HTTの魅力を語るとともに、あわせて聴いて欲しいオススメのバンドを紹介していきたいと思います。
アニメファンにも音楽ファンにも楽しんでいただければ幸いです。
それでは、さっそくスタート!
①Pizzicato Five(ピチカート・ファイヴ)
最初に紹介するのは、1980年代に登場し「渋谷系」ブームの先駆けとして日本の音楽シーンに新しい風をもたらしたバンド・Pizzicato Five(ピチカート・ファイヴ)です。
音楽にあまり詳しくない方からすると、はじめて聞く名前かもしれません。
そうですね…どちらかというと知る人ぞ知るバンドなのかもしれません。
とはいえ、音楽ファン…そしてプロのミュージシャンたちからの支持は厚く、一流ミュージシャンの中にも「ピチカート」の影響を色濃く受けた方々がたくさんいらっしゃいます。
有名なところでは、ももクロなどのプロデュースでしられる「ヒャダイン」こと前山田健一さんなどでしょうか?
彼といえば、「けいおん!」と同じ京都アニメーションが手掛けたアニメ『日常』のOPを担当していましたね。
さて、そんなピチカート・ファイヴとHTTの共通点は、明るくポップなサウンドと中毒性でしょうか?
2000年代のアニソンといえば、いわゆる「電波系」と呼ばれる、ゴチャゴチャとしていてクセになるサウンドと、中毒性の強い歌詞が要素が特徴的です。
HTTでいうと「GO!GO!MANIAC」や「ごはんはおかず」あたりですかね。
個人的には、いわゆる電波系の先駆け…というか礎を築いたのがピチカート・ファイヴだと思っています。
わかりやすいところでいくと…あ!「慎吾ママのおはロック」!!!
2000年、バラエティ番組「サマ☆スタ」から生まれた、(元)SMAP・香取慎吾さんが歌うコチラの人気曲ですが…
実は、作詞作曲を手掛けたのが、ピチカート・ファイヴの小西康陽さんなんですよね。
ある意味彼の代表作かもしれません。
ゴチャっとしたサブカル感満載のサウンドの一方、実は結構オシャレなのも両者に共通した魅力です。
「いちばんいっぱい」みたいなマーチングや吹奏楽っぽいアレンジの楽曲も魅力的ですよね。
「サブカル×オシャレ」は、当時の「渋谷系」のひとつのキーワードだと思うのですが、これって2000年以降のアニソン全般に通じる考え方なんですよね。Tom-H@ckさんとか、田中秀和さんとか。
「たまこまーけっと」のオープニングとかめっちゃオシャレじゃないですか?
HTTの持つアニソンらしい「わちゃわちゃ」とした雰囲気が好きな方には是非とも一度聴いていて欲しいバンドですね。
②Cymbals(シンバルズ)
次に紹介するのも、隠れた名バンド・Cymbals。
ピチカートがもたらした「渋谷系」を継ぐ存在として、2000年前後に活動していたバンドです。
オシャレなポップスと、若さ溢れるはじけるようなパンクロックを融合させた音楽性は、HTTにも通じるところがあると思います。
両者ともにイギリスのパワーポップバンド「ザ・フー」の影響を受けているという点も共通しています(アニメ内でドラムのりっちゃんがザ・フーの名前を上げていました、たしか)。
個人的に、放課後ティータイムに最も似ていると思っているのがこのCymbalsなんですよ。
「Happy?!Sorry!!」あたりは、多分意識して作っていると思います(多分ですが)。
Cymbalsといえば、ボーカルの土岐麻子さんが「シティポップの女王」と称され解散後の現在も人気のシンガーですが…
アニメファン的には、ベーシストで作曲家の沖井礼二さんの方が馴染み深かったりもします。
沖井さんは、あずにゃんの声を担当した竹達彩奈さんの他、花澤香菜さん、けもフレ・尾崎由香さんなど、声優さんへの楽曲提供を数多く行っています。
そのため、声優好きの方からの知名度はバンド以上に高いと思います。
彼が作るオシャレでパンキッシュな音楽は、神前暁さんや田中秀和さんなど現在のアニソンシーンを牽引する名手たちからも支持されています。
直近だと、2021年に1stアルバムをリリースした声優アイドル「DIALOGUE+」なんかが彼の系譜を継ぐ存在ですね。
そんなわけで、Cymbalsは…
けいおん!をはじめ2000年代のアニソン好きに、是非とも知って欲しい本命中の大本命バンドなんです!!
正直、Cymbalsを紹介できたのでもう満足しています笑
③andymori
3組目に紹介するのは、2000年代に人気を博した3ピースロックバンド・andymori。
彼らの生み出す、荒々しく生き生きとしたサウンドは、日本中の多くのロックファンを魅了しました。
そんなandymoriとHTTに共通する魅力は、そのフレッシュさとエネルギーでしょう。
「GO!GO!MANIAC」や「Utauyo!!MIRACLE」など、HTTの激しくスピーディーな楽曲は、やっぱり聴いていて楽しいですよね。
あの言葉を無理やり詰め込んだような歌詞もクセになります。カラオケなんかじゃ絶対歌えないですが…
一応設定上では、弾きながら歌ってるんですよね…どうなってるんだ…
一方のandymoriも高速かつ荒々しい演奏が魅力的ですよね。とはいえ、メタルとはハードコアとは違って、結構可愛らしい…というかお茶目でポップな感じ。
代表曲「ベンガルトラとウィスキー」はまさに、それが全面にあふれ出た名曲ですね。
ちなみに3人組なので、ボーカルの小山田さんはリードギターでもあります。唯ちゃんと一緒です。
活動時期が近いこともあってか、両者ともに2000年前半の「青春パンク」ブーム(MONGOL800とかエルレとか)の影響を受けつつ、より爽やかでポップなアプローチで成功したバンドなんですよね。
当時のJ-ROCKを象徴するような二組です。
アニメソングと邦ロックということで、ファン層には結構ズレがあると思うのですが(どうなんだろう?)、是非ともオススメしたいバンドです。
何と言っても、聴いていて楽しい。シンプルですが、大事なことです。
④ネクライトーキー
4組目は、近年注目の5人組ポップロックバンド・ネクライトーキー。
ネクライトーキーの魅力といえば、やっぱりボーカル・もっささんの声でしょう。
なんというか…個性の光る、いわゆる「アニメ声」といいますか…
とにかく可愛らしい!!
ただ、HTTの唯ちゃん(豊崎愛生さん)の癒し系ボイスとは違って、イケイケで元気な感じです。
もうこれだけで、アニソン好きにオススメなんですけど、中でもHTTとは大きな共通点がありまして…
実はこの2組…バンドの編成が同じなんです!
ギターボーカル、ギター、ベース、ドラム、キーボード…やっぱり5人組といえばこうですよね。
使われている楽器だけでなく、曲のジャンルとしても結構近いものがあると思います。
イメージ的には「ごはんはおかず」とか「ふでペン」あたりが好きな方にお勧めです。
あとは、遊び心満載でおちゃらけたセンスですね。
ネクライトーキーの代表曲に「めっちゃかわいいうた」とか「オシャレ大作戦」という曲があるんですけど…
タイトルが良くないですか??唯ちゃん(設定上)とノリが近い気がします。
とはいえ楽曲や演奏はしっかりしていて、テクニカルな一面もあったり…
それも含めて、近しいものを感じるんですよね。
そんなわけで、HTTのサウンドが好き!あるいはお茶目なノリが好き!という方は、是非ネクライトーキーを聴いてみて下さい!
⑤チャットモンチー
最後に紹介するのは、2000年代を代表する最強のガールズバンド・チャットモンチー。
ギラギラとしたロックなサウンドと高い演奏技術で、それまでアイドル的な側面が強かった「ガールズバンド」の印象を変え、後世に多大な影響をもたらしました(SHISHAMOとか赤い公園とか)。
ギター・ベース・ドラムというシンプルな編成が織りなす心地よいサウンドに乗せたボーカル・橋本絵莉子さんのキュートな歌声がクセになります。
「チャットモンチー」という特徴的なバンド名は、音楽に詳しくない人でも一度は耳にしたことがある名前だと思うのですが…意外とちゃんと聴いたことないという方も少なくないと思うんですよね。
なんか…シャングリラしか知らない、とか。
音楽ファンとそうでない人との間で認知とか評価の差が結構激しいバンドなんですよ…なんでなんだろう?
とはいえ、決して「一般人ウケが悪い」とか「玄人向け」のバンドというわけではないんですよ。
むしろ、その逆で…本格的なロックでありながら、大衆的で誰からも愛されるポップミュージック…だと思うんですけどね…
シャングリラの変則的なリズム取りも、キレイで馴染みやすいメロディーがあって初めて成り立つものだと思いますし…
というか、それを言ってしまえばHTTだって、相当個性的…というかマニアックな音楽だと思います。
HTTもそうだし、ここで紹介した5バンド全てに共通するのが、
ポップで大衆的な側面と、クセの強いマニアックな側面の両方を持ち合わせたバンドであるということです。
「ハマる」音楽というのは、そのミュージシャンが持つ個性が、自分の感性にフィットする音楽だと思うんですよね。
そんなわけで、HTTと同じ波長の「クセ」が光る、チャットモンチーでした。
まとめ
今回は、放課後ティータイム好きにオススメのバンド、として5つを紹介しました!
HTTは、けっこう音楽性に幅があるバンドなので、紹介した5つ全てがハマるとは限りませんが…ひとつくらいは「いいかも?」と思ってもらえるバンドがあるのではないかと思います。
また、選定していくうちにいくつかのキーワードが浮かび上がってきました。
それが、「渋谷系」と「パワーポップ」、「パンク」の3つです。
HTTに雰囲気が似たアーティストを探す際は、是非この3つのキーワードを思い出して下さい!
きっと役に立つはずです。
なんだろう…UNISON SQUARE GARDENとか、CHAIとかかな?
様々な音楽を聴くことで放課後ティータイムの新たな魅力に気づける、みたいなこともあると思います。「あれ?澪のベース超カッコよくね?」みたいな。
それでは今回はこの辺で。最後まで見て下さった方も、途中を飛ばした方も、もうすでに閉じてしまっている方にも… 楽しい音楽ライフが待っていることを願います。
放課後ティータイムが繋げる音楽の輪…素晴らしいですね。
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