「ファン」、「マニア」、「オタク」、「推し」、「派」…
何かを愛し、何かに没入し、何かを支持するとき、人はさまざまな表現を用います。
私の場合、その”何か”というもの(のひとつ)が「スピッツ」であるわけですが…
私はよく、「スピッツ”推し”」という表現を用います。
まぁ、もちろんファンであり、マニアであり、おそらくオタクでもあるのですが…
もくじ
「推し」ってなんだ
「スピッツ推し」…あまり聞きなれない言葉かもしれません。
“推し”という言葉がよく用いられるコンテンツは「アイドル」とか、最近だと「VTuber」とかでしょうか。
そもそも、「推し」という言葉は、複数存在するモノ(人)の中から自分が特に肩入れしているモノ(人)に対して用いる表現です。
例えば…「のっち推し」とか、「あーりん推し」とか、「キャラだとかよちん推し、中の人だとうっちー推し」…みたいな?? (伝わらなかった方は、気にしないでください)
ここで、重要になってくるのは、「派」とのニュアンスの違いです。あくまで一般的なイメージではありますが、「推し」と「派」では少し異なる印象を与えます。
具体例を挙げると、「たけのこ派」と「たけのこ推し」、どちらが「”きのこ”をよく食べる」でしょうか?
…おそらく、「たけのこ推し」の方でしょう。ここで言う「推し」とは、「きのこもたけのこも好きだけど、どちらか選ぶんだとしたらたけのこ」って感じでしょうか?
そう!だから、明治公式さんは「きのこ派、たけのこ派」ではなく「きのこ推し、たけのこ推し」という言葉を用いるべきだったんですよ!
…まぁ、大事なのはそこではないんですが…
何をまとまりとしたときの”推し”なのか
つまり、なにが言いたいかというと、私が「スピッツ推し」である、ということは
「◯◯の中で、スピッツが一番好き」 …である、というわけです。
そう、「推し」というのは、アイドルの場合はグループ、Vtuberの場合はVtuberというカテゴリ(あるいは事務所?)…といった何らかの「まとまり」があって始めて成立する呼称です。
では、私が思う「まとまり」とはなんでしょうか。
これが、犬種のスピッツについて語っているのであれば、それはもう、間違いなく「犬」がまとまりであるのでしょうが、今回話題にしているのはバンドの方です。
そう、今回話題にしているのは、バンド…ミュージシャンについてです。
となると、「まとまり」とは「ミュージシャン」ということになるのではないでしょうか…?
スピッツ好きとは…違うのか?
さぁ、こう思いましたね。
「それ、普通に『好きなアーティストはスピッツです』ってことじゃん。」
そうですね…そうなんですよ。そうです。
私の好きなアーティストはスピッツです。
が、正しくは…
私の好きなアーティストのひとつはスピッツです。
…です。
なんだか、英語の例文みたいですね。
私は、間違いなくスピッツのことを敬愛していますが、同じように敬愛するアーティストは他にもいます。
それは、the pillowsであったり、アジカンであったり、くるりであったり、THE BLUE HEARTSであったり…
なにが言いたいかというと、
「バンド、もっと言えば…音楽が大好きである」ということです!
そして、そのうちのひとつがスピッツである、というわけです。
「好きな音楽はたくさんあるけど、どれかひとつ選ぶならスピッツ…?」なのです。
スピッツが一番好き?
これまでのことをまとめると、ズバリ
「数あるミュージシャンの中で、スピッツが一番好き」ということになりそうですが…
正直、これは難しいところです。
スピッツ”推し”というくらいですから、スピッツが大好きであるのは間違いないのですが…
「スピッツが一番好き!」とハッキリ断言することはできないかもしれません。
世界中のスピッツファンの皆さんから喝を入れられそうですが、
だって、そうじゃないですか。
好きなものに優劣をつけることなんて、できないじゃないですか。
先日のMステ放送日、Twitterで「#スピッツマイベスト5」なんてタグが流行りましたが、
「選べない~」とか「※4月9日現在のランキングです」とか書いてる人いっぱいいましたよ~。
でも、何かひとつ(上記の企画だと5つ)選ぶなら、私はこれを選びたい!!
その基準は、「もっとみんなに知って欲しいから」とか「一番思い出深いから」とか「影響を受けたから」とか、「他の人が選ばなさそうだからあえて私はこれを選ぶ!」とか、人それぞれだと思います。
それが一番好き、とかではない。ただ、私はこれを選びたい。
そんな強い想いが込められているもの、それこそが「推し」なのではないでしょうか。
少なくとも私はそう考えて「スピッツ推し」という言葉を使っています。
なぜスピッツを”推す”のか
では私はどうして数多の素晴らしいミュージシャンの中から「スピッツ」を”推”しているのかというと…
「音楽好き」になるきっかけを与えてくれたのが、スピッツであったからです。
私がスピッツと出会ったのは中一(?)の頃… 今から8,9年ほど前のことです。
それまで、私は音楽に特別肩入れをしていたわけではなく、当時流行っていたAKB48とかGReeeeNとかファンモンとかを聞いて過ごしていました。
ところが、ある日。母親がたまたま所持していてたまたま家の中で聴いていたスピッツの『CYCLE HIT』に衝撃を受けました。
音楽が特別好きだったわけでもなかった当時の私ですが、「空も飛べるはず」、「チェリー」あたりはCMとかテレビとかで使われていたので知っていましたし、それがスピッツというバンドの曲であることも知っていました。
「はじめてちゃんと聴いたけど、良い曲だなぁ」
そう思っていたところで流れ出した曲が… 「水色の街」なのでした。
「なんだこの曲は?!?!」
この曲をはじめて聴いたときの衝撃は今でもよく覚えています。
ただただ、カッコイイ。「こんなカッコイイ曲が世の中にはあったのか」…と。
当時ロックというものをほとんど聴いたことがなかった、というか(親が好きだった)THE BLUE HEARTSしか知らなかったので、自分の中で
「ロック=パンクロック」であり「ロック=激しい」であり「激しいからロックはカッコイイ」と思っていました。
ところがそんな私の未熟な「ロック論」をスピッツはそっとぶち壊してきました。
そして思ったのです。「ロックは激しいだけじゃない、世の中には色んなロックバンドがいるんだ」と。
当時、スマホなんてものは無かった(あったのかもしれませんが小中学生が気軽に所持できるようなものではなかった)ので私は、WiiでYouTubeを開き、スピッツのMVを観まくりました。
「さわって・変わって」「正夢」「さらさら」…どれもこれもカッコいい!!
そのすぐ後、私はWALK MANを入手し、お小遣いでCDを借り始めます。YouTubeで得た知識をもとに「知っている曲が一番多いアルバム」を借りることにしました。それが「さざなみCD」です。
「さざなみCD」は、ぶっちゃけ「ルキンフォー」と「群青」をWALK MANで聴くために借りたようなものでした。
ところが、ここで2度目の衝撃を受けます。
「なんだ、この曲…スピッツはこんな凄い曲を隠していたのか」
まぁ、もちろん隠していたわけではないのですが、「YouTubeのスピッツ」しか知らなかった私にとって、
「アルバム曲」の数々というのは、とても衝撃的でした。
(さざなみCDについてはコチラで色々語っています)
さざなみCDを聴いたことにより、「もっとたくさんの曲を聴きたい!」と自分から積極的に音楽を聴くようになりました。
スピッツのアルバムは勿論(次に借りたのは とげまる と ハチミツ だったと思います)、
他のアーティストのアルバムも…!!
YouTubeのオススメに出てきた「アジカン」や、当時音楽好きの友人に勧められて借りた「セカオワ」やら…
あとは親がハマって聴いていた「いきものがかり」とかですかね…
たくさんの音楽を聴くたびに「世の中にはこんな音楽があるんだ!」とワクワクさせられていました。
そして現在、WALK MANには50組以上のアーティストの楽曲が入っていて、所持CDは100枚をゆうに超えています。
それらはどれも私の宝物ですし、一番のアルバムです。
スピッツ推しであるということ
そんなわけで、私は「スピッツ推し」です。
略さずに言うと、
「音楽好き>スピッツ推し」
で、もっと言うと
「音楽好き>ロックバンド好き>スピッツ推し」
です。
スピッツが好きであることに間違いはないのですが、これは「音楽好き」という前提があって成り立っています。
だからこそ、「音楽好き」になるきっかけを与えてくれたスピッツを”推”しているのかもしれません。
スピッツ推しゆえに私は、スピッツ好きの方に「スピッツ以外は何を聴くの?」と、わけのわからないことを訊いたりします。
「スピッツ以外聴かない!」という方に対しては「わかるわかる!自分もスピッツ毎日聴いてる!」と思いますし、
「◯◯とか…かな?」という方には「わかる!! ◯◯良いよね!!」と反応します。
はたまた「■■(←知らないアーティスト)とか聴くよ!」と言われたときには、「よし、今度聴いてみよう!」となったりします。
スピッツを聴くのは大好きですが、それ以上に好きなのが「知らない音楽を聴くこと」です。
なぜなら「新しい音楽に出会うワクワク」を、スピッツが教えてくれたから!!
だからこそ私は、同じ「スピッツが好きな人」から もっとたくさんの音楽を教えて欲しいのです。
やっぱり「スピッツ好きな人」が好きな音楽は「スピッツ好きな人」に刺さりやすいですからね。
結論(のようなもの)
結局のところ何が言いたいかというと、
「スピッツ推し」という言葉が非常に素敵な言葉であるということです。
世の中には私のように「スピッツが大好きだけど、それ以上に音楽が大好きだ!」みたいな方がたくさんいらっしゃると思っています。
「スピッツ好きの人と繋がって嬉しいけど…せっかくなら他のアーティストの話でも盛り上がってみたい!!」
とか、 あとは
「私の他にスピッツと◯◯と■■が好きな人っていないのかな?」
とかね。
そういった皆さんを救う一つの答えが「スピッツ推し」なのかもしれません。
…ちょっと大げさ過ぎましたね。
これは、スピッツに限ったことではありませんし、音楽に限った話でもありません。
例えば、
「(音楽好き)ミスチル推し」とか
「(メタル好き)人間椅子推し」とか
「(少年ジャンプ好き)ハイキュー推し」とか
「(寿司好き)炙りしめ鯖推し」とか …何でも良いんです。
好きなものが多すぎてどれか一つに絞り切れない…けど「これが好き」ってアピールしたい!
そんなときは…
…「推し」って言っときましょっ☆