デビューから30年以上経った今でも、”世代”のリスナーはもちろん、若者たちからも支持を得る大人気バンド・スピッツ。

90年代は、スピッツだけでなく、ミスチル、ラルク、GLAY、ウルフルズ、エレカシなどなど…数え上げればキリがないほど、多くの「国民的」人気バンドが活躍しました。
この時代のバンドたちは、今でも根強い人気を誇りますね!すごい!

彼らが今でも人気を集めているのは、根底を変えずに進化し続けているという点が大きいと思います。

なかでもスピッツは、ギター・ドラム・ベースを中心とした「バンドサウンド」からブレることなく、各時代に併せて少しづつ変化、進化を続けてきました。

「新しさ」を追求しながらも、「変わらない」スピッツらしさを保ち続けているのは、本当に素晴らしいことです。”アップグレード”というやつですね。

令和の時代では、どちらかというと、「打ち込み」を主体としたトラック感の強い音楽が流行している傾向にあります。
STUTSや、PUNPEE、tofubeatsといった「トラックメイカー」が活躍しているのにも納得です。

ではでは、昔ながらの「バンドサウンド」が失われたか、というと…そうではありません!!

令和に入ってからも、素晴らしいバンドが数多く存在し、また、人気を集めています。

そして彼らのルーツは、スピッツをはじめとした90年代のバンドにあったり…

今回は、「スピッツファンにオススメしたい令和のミュージシャン」として、令和の中に90年代のバンドサウンドを感じさせる、新しさと懐かしさを持ち合わせたアーティストを紹介していきます!

1.あいみょん

まずは、このお方!

令和の音楽を語る上で、絶対に外せないのが、あいみょん

柔らかくも力強い落ち着きのある低音が魅力的なシンガーソングライター。

2016年に「生きていたんだよな」でメジャーデビュー。
2018年にはシングル「マリーゴールド」が大ヒットし、若者を中心に広く認知され「国民的アーティスト」となりました。もはや知らない人はいない、というレベルですね。

「スピッツの正統後継者」と謳われるのみならず、彼女自身が「スピッツファン」として知られ、テレビでもスピッツ関連の話題が良く上げられています。

その音楽性は、やはりスピッツ…あるいは浜田省吾や尾崎豊を彷彿とさせる、フォークソングをベースとしたJ-POPが中心です。
また、同時にギターを中心としたロックなバンドサウンドも展開しています。

そう、彼女はJ-POPであり、ロックミュージシャンでもあるんですよね。

具体的で、身近で共感性の高い令和的な歌詞と、90年代を感じさせるフォークロックなサウンドが上手くマッチしています。その上、メロディーは清々しいまでに王道で美しい…

老若男女から愛されるのにも納得せざるを得ません。

実際、スピッツファンの中でも彼女を支持する声はかなり多いように見受けられます。

私の友人には、「最近の音楽、あんまり聴かないけど、あいみょんは聴く!」みたいな方もいらっしゃいます。それだけ、王道というか…取っ付きやすい存在なんでしょうね。
(歌詞はハードだったりするけど…)

「マリーゴールドしか知らない」とか、「そういえばちゃんと聴いたことないなぁ…」というスピッツファンのみなさん、是非聴いてみて下さい。

令和の音の中に漂う「懐かしさ」…クセになるはずです。

【オススメアルバム】

2.The Songbards

続いて紹介するのは、2017年に神戸で結成されたロックバンド・The Songbards(ザ・ソングバーズ)。

あいみょんに比べると正直知名度は下がる気もしますが…スピッツファンの中にはこの名前に聞き覚えがある方もいらっしゃるのではないでしょうか??

そう、彼らといえばラジオ番組「ロック大陸漫遊記」において、草野マサムネに「大好物」と言わしめた話題のバンド!

その人気や実力は確かなもので、2021年にはあの社会的ブームとなったテレビゲーム「あつまれどうぶつの森」のCMにも楽曲が使われました!
初のタイアップが、あの「あつ森」ですからね…すごいです。

さて、彼らの音楽がどのようなものかというと、草野さん好みの「シンプルなバンドサウンド」

スピッツ同様に、ギター・ドラム・ベースを主軸とした…というかほぼそれだけで完結…完成されている、驚くほどにシンプルな編成。
その中で、バラエティに富んだ楽曲展開をしているのが素晴らしい。

余計なものを省いた引き算の美学に基づいた、真っ直ぐで、緻密なサウンドが心地よい。
そこに乗せた、わかりやすくキャッチーなメロディーも良い。

個人的なオススメは、「悪魔のささやき」という曲。
ノリの良さと、繊細なギタープレイが絶妙です。

あいみょんにも言えることですが、とにかくハッキリとしていて「歌いやすい」。誰しもが口ずさめるような王道感の強いメロディーが魅力的です。

メロディーがわかりやすいと、歌詞も耳に入りやすいですよね。歌詞が評価される音楽は、大抵メロディーも素晴らしいです。

ひょっとすると、この辺にスピッツらしさを感じるのかもしれません。「わかりやすさ」というのは「受け入れやすさ」でもあるのでしょう。

スピッツのシンプルで、ポップ、かつロックなサウンドが好きな方には是非ともオススメしたいバンドでした。

【オススメアルバム】

3.odol

お次は、3ピースのオルタナティブロックバンド・odol

読み方は「オドル」。

2014年に結成され、2018年にUK.PROJECTレーベルに所属。同年には日本最大級の音楽フェス「フジロックフェスティバル(FUJI ROCK FESTIVAL)」に出演。
令和に入ってからもその勢いを伸ばし続けている若手バンドです。

彼らが知名度と人気を大きく伸ばすきっかけとなったのが、森永乳業のCMで使われた「歩む日々に」でしょうか。

その後も、JR東海「望み」や、任天堂「眺め」と立て続けにCMタイアップを。

CMソングにふさわしい、耳馴染みの良さとメッセージ性の強さは、彼らの強みの一つだと思います。

さて、odolをご存知の方は、「スピッツとodolってそんなに共通点ある?」と思うかもしれません。

そうなんです。スピッツとodolでは、音楽性が結構大きく異なります。

例えば、スピッツがギター中心のシンプルなバンドサウンドであるのに対し、odolはピアノやストリングスなど、多様な楽器を用いた壮大で広がりのあるサウンドが特徴です。

そもそもスピッツは4人編成ですしね。

それでもスピッツ好きの方には、どこか刺さるところがあると思います。説明するのは難しいですが。

特に『フェイクファー』とか『インディゴ地平線』とか、笹路さんがプロデュースしていた頃のスピッツが好きな方。

なんというか、爽やかなのに湿っぽいどこかフワフワしたサウンドに乗せた、透明感のある柔らかなボーカル…そう、ボーカルですね。

ボーカル・ミゾベさんの声の質感が草野さんに少し似ているのと、
力強いサウンドなのに、力の抜けたやわらか~な歌い方のギャップが、どこかスピッツっぽいんですよね。

高音を涼し気に歌い上げる感じとか、ロックなのにとにかく爽やかで瑞々しい感じが、スピッツ好きの方は気に入ると思います。

【オススメアルバム】

4.Homecomings

2012年に京都で結成された4人組ポップロックバンド・Homecomings

結成から1年でフジロックフェスティバル2013への出場を果たした他、2018年にはバンドの出身地である京都を舞台にしたアニメ映画『リズと青い鳥』の主題歌を担当
インディーズ時代から着々と人気を増やし、2021年に満を持してメジャーデビュー。

Homecomingsの音楽は、ジャンルとしては「ネオアコ」とか「ギターポップ」的な要素があります。
最近はChillOutというか、打ち込みを取り入れたサウンドも顕著に。

アコギを用いたフォーキーなサウンドに乗せたポップなメロディーが心地よいです。

とはいえ、フリッパーズ・ギターなどのいわゆる「渋谷系」と比べると、ギターロック的な印象が強い気がします。イメージとしてはシャムキャッツとか、サニーデイ・サービスとか…?(伝わるのだろうか)

そもそもスピッツ好きの方って「サニーデイも好き」という人が多い気がします。

スピッツでいうと『ハチミツ』や『空の飛び方』など…あの辺の音楽が好きな方にオススメです。

煌びやかで、どこか懐かしさを感じるサウンド…そもそも90年代のバンドサウンドが好きな方には、スピッツファンに限らずオススメですね。ホムカミはなんか懐かしい感じがします。

オススメはやはり代表曲「Songbirds」。

素朴かつ幻想的なサウンドが美しい。映画の世界観ともよく合っていたなぁ(単純にリズと青い鳥が好き)。歌詞の内容も相まって、淡~い感じがするんですよね。たまりません。

最近はこういった「懐かしい感じ」がするバンドが人気ですね。70-80年代リバイバルの影響もあるのでしょうが。いわゆる「CITY POP」の要素を取り入れた若手バンドというのが次々と登場している印象です。

(CITY POPブームに関してはコチラがオススメ)

その代表格というか、ムーヴメントを牽引しているのがHomecomingsなのではないでしょうか。

【オススメアルバム】

まとめ

いかがだったでしょうか?

一口に「スピッツファン」といっても、キャリアが長いぶん時期によって「スピッツ像」が異なっていたりもするので、様々なんですよね。
特にサウンドや音楽性に関しては。

とはいえ、やっぱり核となる部分では変わらぬ「スピッツらしさ」みたいなものがあるので、そこを意識した選出とさせていただきました。

紹介させていただいたミュージシャンのうち、ひとつでも気に入っていただければ幸いです。

こういった、「数珠繋ぎ」も音楽の楽しみ方のひとつですよね!

そんなわけで、最後まで見て下さった皆様、ありがとうございました。
皆様の音楽ライフがより良いものになりますように!

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