ザ・ブルーハーツの個人的ベスト25(25位〜11位)

音楽レビュー

伝説のロックバンド、ザ・ブルーハーツが2025年で結成から40年、そして解散から30年を迎えました。

1980年代から1990年代まで続いたバンドブームを牽引したカリスマ的なバンドであり、解散後も数多くの名曲が語り継がれる日本のロック史に残るアーティストです。

中心メンバーのヒロトとマーシーは、ザ・クロマニヨンズのメンバーとして現在もライブ活動を続けていますね。

ランキング企画について

結成40周年を記念して、音楽雑誌「ミュージックマガジン」にて「ブルーハーツベストソングス50」という企画が行われました。

雑誌のライターや編集者がそれぞれ25位までのランキングを作成し、それを統合して全体でのランキングを決定するという内容です。
人によって選ぶ楽曲に個性があり、それだけ名曲が多いということを示していますね。

今回は、ブルーハーツを改めて全曲を聴き直し、個人的なベスト25を考えてみました

筆者はブルーハーツ解散後の生まれであるため、リアルタイムで彼らの楽曲を追っていたわけではありません。
ライブに行った経験もなく、テレビで彼らの曲を聴いたこともないため、かなりフラットな視点からの評価になっていると思います。純粋に楽曲としての魅力を反映したランキングです。

それでは順に紹介していきましょう。

第25位:歩く花

アルバム「PAN」に収録されている楽曲です。このアルバムは各メンバーが持ち寄った曲を集めたという特殊な位置付けの作品ですが、この曲は是非入れたいと考え25位に選出しました。

ヒロトの楽曲らしく、J-POPや歌謡曲としての普遍的な魅力があります。

彼の作品はメロディに対する言葉のはめ方が非常に優れており、1音に対して1文字という日本の歌謡的な作りと、七五調のリズムが特に顕著に表れている1曲です。

特にBメロの構成が印象的で、1拍置いてから高い音で開始するという展開が、この曲の大きなアクセントになっています。
ブルーハーツの楽曲は海外のロックのようにBメロがなく、Aメロからサビへ直接展開するものが多い中、この曲のBメロはヒロト作品の中でも特に優れていると感じます。

第24位:ネオンサイン

アルバム「HIGH KICKS」に収録されている楽曲です。「HIGH KICKS」はブルーハーツの中でも最もポップでバラエティに富んだアルバムであり、この曲はそれを象徴する1曲といえます。

カントリー調のイントロが印象的で、どんなジャンルとも融合するヒロトの普遍性の高いポップセンスを体感できます。

この曲はライブで一度も演奏されなかったとされており、そういう意味でも隠れた名曲です。

柔らかく友情を讃える歌詞が特徴的で、仲間のいる幸せを歌っています。少し「クサい」歌詞ですが、ヒロトが歌うとぐっと来る。

彼はロックスターでありカリスマでありながら、どこか素朴で等身大の魅力を持っています。

第23位:夜の盗賊団

後期ブルーハーツ特有の神秘的な世界観を感じさせる楽曲で、ブルーハーツの中で「美しい」という言葉が最もよく似合う曲です。

淡々とした叙情的な歌詞が印象的です。マーシーの個性を感じさせる表現が随所に見られます。

ラストシングル「夕暮れ」や、同じアルバムに収録された「年をとろう」などでも近い空気感が表現されています。後期ブルーハーツ、特にマーシーの一つのテーマといえます。

なお、タイトルの「夜の盗賊団」は盗賊団の夜の様子を歌ったものではなく、若者たちが夜の時間を謳歌する、夜を独り占めするという意味合いと解釈しています(個人的には)。

第22位:雨上がり

アルバム「DUG OUT」からの選出です。「DUG OUT」はブルーハーツの中で独特の個性を放つ作品で、マーシーのフォークミュージック的な曲が並ぶ素朴な作風が特徴です。
そんな中で、ポップなメロディが光っているのがこの「雨上がり」です。

雨が止んで太陽が顔を出すという光景を、詩的に表現する歌詞が印象的です。感性の豊かさを感じさせる楽曲となっています。

ブルーハーツといえばハードなパンクや勢いのある楽曲が代表的ですが、こういった作品もあるという、マーシーの音楽的な幅の広さを楽しめる1曲です。

第21位:英雄にあこがれて

タムのリズムが印象的な楽曲です。

ミドルテンポの重ためのロックナンバー…近い雰囲気の楽曲としては「殺しのライセンス」などがありますね。

初期のブルーハーツに見られる反抗心を歌った世界観が展開される一方で、ファンタジックな表現も見られる、ユニークな歌詞構成となっていますよ。

ライブだと盛り上がりそうですね、これ。

第20位:ダンスナンバー

ブルーハーツの楽曲の中で最も演奏時間が短い曲ですが、疾走感溢れるパンクナンバーです。

2025年のフジロックフェスティバルにて、サンボマスターのボーカル山口隆がこの曲の一節を引用したことが話題となりました。

ブルーハーツは誰一人として見捨てない、どんな自分も肯定してくれるという懐の深さを持つバンドです。

その後、マーシーとヒロトが登場し、共に演奏するという場面もありました(アツい)。

第19位:NO NO NO

初期の真っすぐで王道的なパンクナンバー。

とはいえ、イントロのギターリフやAメロのベースのフレーズなど、楽器のメロディに高いセンスを感じさせます。

間奏のギターソロも印象的です。初期のブルーハーツの楽曲の中で、演奏やアレンジという観点から楽しむのに適した1曲といえます。

等身大の視点から世界を捉える歌詞も特徴的で、サンボマスターや銀杏BOYZなどの青春パンク、あるいはラノベ等の「セカイ系」的な考え方に近いものがあると思います。

第18位:夕暮れ

ブルーハーツのラストシングルです。

後期の作品は柔らかい雰囲気のものが多く、10年を通して伝えたいことや視点が変化していったことが窺えます。この変化は、ストレートな歌詞で歌われているからこそ明確に分かるものです。

曖昧なポジティブさを表現する歌詞が印象的で、10年を通じて歌われてきたブルーハーツの肯定的メッセージが、勢いの中で力強く歌っていた初期とは異なる、味わい深い形で表現されています。

第17位:やるか逃げるか

サポートキーボーディストの白井幹夫によるピアノのイントロが印象的な楽曲です。

後期の作品でありながら、初期のようなシンプルなパンクナンバーとなっています。

しかし、中期のポップな時代を経た奥行きとアレンジの豊かさを感じさせます。
「リンダリンダ」に代表されるブルーハーツのパンクと、J-POPの王道を見事に融合させた楽曲であり、音楽的に非常に完成度の高い1曲です。

第16位:夢

ブルーハーツは社会問題やセンシティブな内容を扱うことが多い、メッセージ性の強い歌詞が魅力的なバンドですが、この曲はポジティブなフレーズが並ぶキャッチーな楽曲となっています。

希望に満ちた表現が特徴的ですが、裏を返せば現状への不満も読み取れるという、もどかしさを含んだ歌詞です。

この辺りにブルーハーツの青臭さを感じさせる、優れた表現といえます。

第15位:年をとろう

マーシーの作曲による、彼らしさが表れた楽曲です。収録アルバム「DUG OUT」は筆者が特に好む作品です。

サニーデイ・サービスやフリッパーズ・ギターといったフォークや渋谷系の楽曲を好む私ですが、元をたどれば中学生時代にこの「DUG OUT」をよく聴いていた影響があるのかもしれません。

マーシーの詩的な歌詞が印象的です。
初期のブルーハーツが少年らしさや若者代表的な価値観を歌った曲が多かったのに対し、この曲では真正面から「年を取る」ということについて歌っており、後期の作品ならではの特徴となっています。

人によって様々な解釈が可能な世界観で、文学的にも興味深いものとなっています。

第14位:終わらない歌

「リンダリンダ」などと並んで、初期のブルーハーツを象徴する1曲です。

ストレートでシンプルなパンクロックであり、非常にブルーハーツらしい楽曲といえます。

誰一人として置き去りにしないという全肯定のメッセージが込められており、これがブルーハーツ、そして後のジャパニーズパンクの王道的スタイルとなっています。

音楽的な観点では、ベースラインが印象的です。独特な動きをしており、シンプルな編成の中で楽曲に華やかさをもたらしています。

第13位:イメージ

高圧的なイントロが印象的な中期のナンバーです。

この時期はポップでバラエティに富んだアレンジの楽曲が多く見られましたが、この曲は硬派なロックナンバーとして、それまでにはあまり見られなかったアプローチとなっています。

当時の不景気を反映した歌詞が印象的で、全体的に皮肉的な表現も多く、若者の代表というイメージのあったブルーハーツのもう一つの側面を見せる楽曲です。

第12位:未来は僕等の手の中

初期のストレートなパンクの代表的楽曲です。

ブルーハーツというバンドのテーマを象徴するような作品で、パンク的精神が歌われています。短い楽曲ながら展開も豊かで、聴き応えがあります。

ブルーハーツは世の中への憤りやアグレッシブな表現が多い中で、この曲は突き抜けたポジティブさを持っています。

当時のブルーハーツの勢いそのものを表すような、エネルギーに満ちた楽曲です。

第11位:キスしてほしい

通算4作目、自主制作を除くと2枚目のシングルとなります。全期間を通じて、ブルーハーツが最もポップスに接近した楽曲といえます。

ザ・ビーチ・ボーイズ的なアプローチが特徴的で、J-POPというよりは海外のポップスへのリスペクトが感じられます。コーラスワークも優れており、「ラブレター」などでも同様の魅力が見られます。

疾走感のある楽曲ですが、「リンダリンダ」や「未来は僕等の手の中」のようなパンクとしての疾走感というよりは、ポップスとしての華やかで爽やかな疾走感が特徴です。

サビのキャッチーさと、ポジティブなメッセージが印象的な楽曲となっています。

ミュージックビデオには、ザ・ビートルズの「イエロー・サブマリン」へのオマージュと思われるシーンが登場します。そういった意味でもビートルズやビーチ・ボーイズといった先駆者からの影響を感じさせる1曲です。

ブルーハーツ、今聴くには?

以上、25位から11位でした!
みなさんの好きな曲はランクインしていましたか?

次回はTOP10を紹介していきますよ。

ブルーハーツといえば、サブスク解禁を待ち望む声が多いバンドですよね。

残念ながら2025年現在もサブスクが解禁される気配は全く持ってありません。
アーティストの意向を尊重しましょう。

では、ブルーハーツを聴くにはどうすればよいか。

一番手っ取り早いのは「ベスト盤」を買うことです!

『THE BLUE HEARTS BOX』は初期のアルバム3作をそのまま収録したベスト盤。
有名な曲が多く、はじめて手に取る方はこれがオススメ!

唯一の難点が、ネットショップになかなか売りに出されないということ…
実店舗(ブックオフとか)で探したほうが案外見つかるかも…

個人的なオススメが『DUG OUT』『STICK OUT』

後期を代表する2作で、ブルーハーツの魅力をより洗練されたアレンジで味わうことができます。
今回紹介した楽曲の多くはこの2枚に収録されていたりもします。

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