皆さんは「好きな音楽」をどのような基準で選んでいますか?
メロディーの良さ、歌詞の良さ、顔…など、色々あるかと思います。
そしてその中のひとつが「声」ではないでしょうか。
「好きな音楽」は「聴きたい音楽」で、「聴きたい音楽」というのは「耳が欲しがる音楽」です。
そうなってくると、歌い手の「声」というのは「歌の上手さ」や「歌い方」に匹敵するほど、重要な要素となってきます。
「イイ声」にも色々在り
世の中には「イイ声」と呼ばれる声が存在します。男性だと「イケボ」と言われる奴です。
パッと思いつくのは麒麟の川島明さんや、俳優で歌手の福山雅治さんなどの低音ボイスを思い浮かべがちですが、声優の宮野真守さんや緑川光さんのような爽やかで甘い声もイケボと呼ばれる「イイ声」ですよね。
ちなみに私は櫻井孝宏さんの声が好きです。ベタですが。
女性だと大人っぽく艶やかな声から、いわゆる「アニメ声」のようなものまで幅広い「イイ声」が存在します。
パッと思いついたのは、声優の沢城みゆきさんと、女優の松たか子さんでした。
松本まりかさんなど、特徴的な声を活かしてナレーションやアニメ声優として活躍している方もいらっしゃいます。
ちなみに女性声優さんだと、高橋李依さんと木村珠莉さんの声が好きです。
一般的に声優やアナウンサーは声を仕事にしているだけあって「イイ声」の方が多いです。ここで言うイイ声とは「聴きとりやすくて綺麗な声」といったところですね。
ところが、これが音楽となると結構話が変わってくるものです。例を挙げると、一般的にはあまり綺麗な声と言われない、乾いた声、いわゆる「ハスキーボイス」の方(かた)が人気だったりします。
「演歌歌手・森進一さんの登場を機に、ハスキーボイスの歌手が増えた」なんて話を聴いたことがありますが実際はどうなんでしょうか…
歌手における「イイ声」の基準は「歌に合うかどうか」のウエイトが大きく、感じ方は結構人それぞれです。
そこで! 私が個人的に「イイ声」だと思うボーカリストを男女別に5人ずつ紹介していきます。
今回は、「男性ボーカル編」です。
”挙げていくだけ”なんてタイトルのくせに前置きが長くなってしまいましたね… いってみましょう!!
男性編① 宮本浩次(エレファントカシマシ)
ベテランミュージシャンで、最近何かとテレビで見かける機会の多い宮本浩次(みやもとひろじ)さん。
日本を代表する名ロックバンド・エレファントカシマシのボーカルでありながら、
お茶目で奇抜なスタイルから「ちょっと変わったおじさん」みたいな認識をされていそうです…
…が、
宮本さんは間違いなく、日本トップクラスの天才ボーカリストです。
パワフルで表現力豊かな歌い方でありながら、音程の正確さが異常です。どんなに難しい歌であってもとにかく音を外さないんですよね。プロ中のプロです。
そして、彼が日本を代表する名ボーカリストと言われるもう一つの理由が、今回のテーマである「声」だと思います。
力強い真っ直ぐな歌い方(宮本さんってビブラートを使わないんですよね…)に、見事なまでにマッチした絶妙なハスキーボイス。
とくに、高音の少しかすれるようなでも決して細くはない芯のある歌声が痺れます。
カッコイイです。
また音域の広さから、裏声をあまり使用しないため非常に「安定」しているのも特徴です。渋くてワイルドな雰囲気から「声が低い」印象を受けがちなのですが、音域としては結構高いものもあります。
その幅広い音域から、カラオケでは歌うのが難しいアーティストというイメージがありますね。
中でも、椎名林檎さんとのデュエット曲「獣ゆく細道」は圧巻ですね。
あの二人だからこそなせる音楽というか…到底真似できない高次元の芸術といった感じが出来ます。
宮本さんといえば2020年にカバーアルバム『ROMANCE』をリリースしましたね。
太田裕美「木綿のハンカチーフ」や松田聖子「赤いスイートピー」、宇多田ヒカル「First Love」などのJ-POPの名曲が、彼の歌声と表現によって見事にカバーされています。必聴です。
男性編② 藤原基央(BUMP OF CHICKEN)
これまた、日本を代表するバンド・BUMP OF CHICKENのボーカル・藤原基央(ふじわらもとお)さん。
幅広い層から絶大な支持を得るこのバンド。メッセージ性の強い歌詞や、真っ直ぐで馴染みやすいサウンドが人気ですが、ボーカル・藤原さんの「声」も魅力のひとつですよね。
特別高いわけでも、低いわけでもない、一見(一聴?)すると「癖のない歌声」のような気がしますが、よくよく聴いてみると…
…なんだこの歌声は?!
「スノースマイル」や「supernova」のようなスローテンポの楽曲では優しく包み込むような歌声、
「天体観測」や「ロストマン」のようなミドルテンポのロックでは真っ直ぐで力強い歌声、
「カルマ」や「乗車権」などのハイテンポのロックチューンでは、高圧的で荒々しい歌声…
どれも間違いなく「藤原基央」さんの歌声なのですが、楽曲の雰囲気や歌い方によって受け取る印象が全く異なるんですよね。
「表現力」のスゴさというのはもちろんですが、私は彼の声を天性の「届く声」だと思っています。
とにかく耳に入ってくるんですよね、彼の「声」や「ことば」が。
藤原さんはミュージシャンであり、ボーカリストであり、メッセンジャーなんですよ。
だからこそ、BUMP OF CHICKENの歌詞に心を打たれる方が多いのかもしれません。
ちなみに、RADWIMPSの野田洋次郎さんや、SUPER BEAVERの渋谷龍太さんも声質は違いますが「届く声」のボーカリストだと思っています。
どちらも、大好きです。本当はこのお二方を取り上げても良かったのですが、今回はなるべく異なるタイプの「好きな声」を取り上げたかったので…スミマセン💧
また別の機会でお話しできればと思います。
男性編③ 山中さわお(the pillows)
私のブログで何度か名前を出したことのある、世界的ロックバンド・the pillows(ピロウズ)。
そのボーカルが山中さわおさんです。
余談ですが、漫画『けいおん!』の登場人物、”さわちゃん”こと「山中さわ子」の名前は彼から取られたと言われています。ちなみにピロウズのギターは”真鍋”さんです。
『けいおん!』の登場人物の名前の由来についてはコチラの記事をご参照ください。。
そんな彼(どんなだよ)ですが、とにかく「歌声」が良いんですよね。
英語詞が多いこともあってか、少し海外のロック歌手を思わせるような独特な歌い方が特徴です。
それもあってかピロウズの音楽は良い意味で「日本人離れ」しているんですよね。海外で人気があるのも納得と言ったところです。
具体的にどんなものかというとフレーズのアタマが尖った歌い方をされます。尖ったというかちょっと割れた感じというか…
エッジボイスともシャウトとも違う、細い音ですね。アタックが強いというやつでしょうか。
子音が強い洋楽的でヤンチャな歌い方が、ピロウズのイカしたギターロックによく合うんですよね~。
日本のバンドですが、「洋楽を聴いている」ようなちょっと背伸びした気分にさせてくれます。
洋楽のエッセンスを取り入れた歌手ってたまにいるんですけど、久保田利伸さんみたいにR&B系の方が多いんですよね…それとはちょっと違うんですよ。
山中さんの歌声は、”日本人が歌う洋モノ”というイメージの「ちょっと気取ったカンジ」が癖になるんですよね。
洋楽的に歌うのではなく、洋楽風に歌うと言ったところでしょうか。
男性編④ 秋野温(鶴)
4人目は3ピースバンド鶴のボーカル・秋野温(あきのあつし)さん。
前の3人と比べると少々知名度が下がってしまう気もしますが、だからこそ紹介したい。
今回はボーカルに焦点を当てた記事ではありますが、少しだけ鶴の紹介も。
鶴は、埼玉県入間郡鶴ヶ島町(現在:鶴ヶ島市)生まれの3ピースバンドです。
ギターロックがメインですが、そこにファンクやシティーポップの要素を盛り込んだ独自の「踊れるロック」が特徴です。本人たち曰く「ウキウキ&切なさ」に溢れた楽曲は一度聴いたらクセになるはず…?
さて、そんな鶴のボーカル・秋野さんの「声」についてですが…
今までの3人とは異なり、いわゆる「イケボ」系の声質です。しっとり&しっかりとした低めのボイスが魅力的ですね。
秋野さんの声は、とにかく聴きとりやすい。癖の少ない、万人受けする「イイ声」なのではないでしょうか。
歌い方としては、真っ直ぐ力強いものなのですが、そのしっとりとした艶やかな声により、ちょっぴりディープで哀愁漂う雰囲気があります。
まさに、「ウキウキ&切なさ」を体現した歌声だと思います。
力強い芯のある「歌い方」は、アツいノリノリなロックサウンドによく馴染み、
色気ただよう「歌声」は、ファンキーで大人っぽいダンスミュージックとマッチしています。
ダンスロックといえば、アジカンを思い浮かべますが、アジカンの後藤さんも同系統のボーカリストと言えるかもしれません(最近は特にね)。あとは、back numberの清水さんとかも…?
男性編⑤ しげる(THE NEUTRAL)
男性ボーカル編、ラスト5人目は、ロックバンドTHE NEUTRALのボーカル・しげる(三木茂)さん!
皆さん、ご存知ですか?
THE NEUTRALはアニメ『なるたる』のオープニングや、「ぱちんこCR聖戦士ダンバイン」の挿入歌を担当したため、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません(私は なるたる で知った一人です。)。
そんなTHE NEUTRALの売りと言えば、”真っ直ぐ”で”強い”歌詞だと思っています。『なるたる』OP「日曜日の太陽」は、陽気で明るいサウンドでありながら作品の世界観と絶妙にマッチした切ない歌詞が刺さるんです…
「ちびとふとっちょ」なんかも名曲ですね。「誰も知らない泣ける歌」という番組で取り上げられていました。
さて、そんなメッセージ性の強い歌詞が特徴の名曲たちを届けるのが、ボーカル・しげるさんです。
まずは、しげるさんの「声質」から。私好みの絶妙なかすれ具合です。
あと「高さ」ですね。少し高めでよく通る声だと思います。
これだけでも好きなボーカル認定ですが、彼を選んだ理由はその歌い方にあります。
優しく語りかけるような歌い方から、強く熱い想いをぶつけるような歌い方。とにかく「表現力」がハンパない!
そしてこれを意識的にやっていない(ように聴こえる)のが良いんですよね。あくまでも自然で、思いのままに歌っているというか…
歌であり、「語り」ですね。 THE NEUTRALの歌、彼の声を聴くと胸にこみあげるものがあります。
正直言うと、技術的なことでは全く語ることのできない魅力があります、彼には。
彼の「歌」の特徴は「自然体」です。飾らない、ありのままの歌。そして何よりすっごく楽しそうに歌われるんですよね。
「あぁ、本当に歌うことが、音楽が、好きなんだなぁ…」と。
一緒に楽しい気分になったり、悲しい気分になったり、切ない気分になったり…
生きてるんですよね、歌が。
だからこそ彼の「ことば」が良く届くのです。
まとめ
今回は、私の「好きな声」ということで、5人の男性ボーカリストをご紹介しました。
なんとなく、書いていて思ったのですが、どうやら私は「真っ直ぐで力強い声」と「ハスキーボイス」が好きなようです…
あとは、ファルセット(裏声)の綺麗な、高音系のボーカリストを一人くらい取り上げればよかったなぁ…と思ったり。
たとえば、小田和正さんであったり、森山直太朗さんであったり、平井堅さんであったり、暮部拓哉さんであったり…
ただ、今回は「バンドの構成要素としてのボーカル」に焦点を当てたかったのでこの5人を選ばせていただきました。
バンドの中で活きる声というものがあると思うんですよね。
皆さんも様々な観点から「歌声」を聴いてみると、面白い発見があるかもしれませんよ。
ではでは、次は「女性ボーカル編」でお会いしましょう。それでは楽しい音楽ライフを~。
コメント