※こちらは2020年7月18日にFANBOXで公開された記事を移植したものです。

 ご存知の通り、私はよく4コマ漫画を描いています。4コマ漫画を投稿し始めて一年以上が経つわけですが、日々こんなふうに感じています…

「4コマ漫画って難しい!でも奥が深い!!」

今回から2回に分けて私が思う4コマ漫画の「難しいポイント」「奥が深いポイント」を紹介してみようと思います!

4コマ漫画のここが難しい!!

①絵を描くのって難しい!!

 漫画だって「絵」なわけですから、もちろん「絵の上手さ」も重要な指標だと思います。とはいえ、イラスト(一枚絵)と4コマ漫画では、求められる「絵の上手さ」が違うと思うのです。4コマはスペースもサイズも限られるので、細かい描き込みとか影や光の加減とかはそんなに大事じゃないのかなぁと思います。
 では4コマに求められる絵とはどんな絵なのか…ずばり、「パッと見てわかりやすい絵」ではないでしょうか?!
 4コマ漫画はコマ数が少ない分セリフの長さに限界があります。つまりセリフが持つ情報量がそんなに多くないのです。では、どうやって情報を的確に伝えるか。それはもちろん絵です!!

4コマ漫画に求められるのは、「まつげ一本一本まで描写された繊細な顔」ではなく「ひと目で悲しんでいることがわかる顔」なのではないでしょうか。

②セリフ選びって難しい!!

 漫画とイラストの一番の違いは「文字情報」があるかないかですよね。セリフの表現ひとつで伝わり方は変わります。「あー!お腹空いた!!」と「あぁ…お腹…空いたぁ…」ではもう全然別物ですよね。
 4コマ漫画でセリフを長くしすぎてしまうと少し煩わしかったり、そもそもコマに収まりきらなくなってしまいます。なるべくシンプルなセリフにしたいところです。
 とはいえ言いたいことを伝えるだけだと単調でつまらない感じにもなってしまいます(この加減が難しい)… キャラによって口調を変えたり、「―」「~」などで飾ってみたり、私も日々研究中です(フォントを変えるのも1つのワザですよね!)

③構図が難しい!!

 最後に紹介する難しいポイントは、「構図」です。 私が描いているような”日常系4コマ”の多くは「会話」を主軸にしたストーリーです。基本的に会話って立ち止まって行うことが多いです。そうすると、私のような素人はこのように(↓)単調な作品をつい描いてしまいがちです。

 漫才のようなものだと考えるとそこに物理的な場面転換は必要ないのかもしれませんが、パッと見たときに動きがあった方が楽しそうじゃないですか。

単調になる(私は棒立ち現象と呼んでいます)のを回避するために私がよく使う手法といえば、カメラチェンジ(↓)です。4カメまで用意しておくと編集の時に楽ですよ(なんて、知り合いの動画編集者が言ってました)。

結局楽しんだもんがち!!

 …4コマ漫画って難しいですね。ここで言っておきたいのは4コマ漫画に正解なんてないということです。絵が上手いだけが4コマの全てではないですし、複雑なセリフが売りの漫画もあります。背景があろうがなかろうが、起承転結だろうが、2転、3転しようが、いいのです。

 ルールはただ一つ、4コマの作品であること。この4コマ上に何を描くかはすべてが作者次第です。あまり考えすぎず、気持ちを楽にして自由に描くことこそが、良い4コマ漫画を描く一番の近道なのかもしれませんよね。