※こちらは2020年7月30日にFANBOXで公開された記事を移植したものです。

 お久しぶりです。時間が空いてしまいましたが「4コマ漫画って難しい&奥が深い」の後編として、4コマ漫画の奥深さについて書いていきたいと思います。ではでは、さっそく本題です!!!

4コマ漫画の奥深さ

1.それすなわち…オチ!!

 性質上、4コマ漫画作品の多くは、コメディが多いですよね。
4コマ漫画が笑いを誘うものだとすると、やっぱり「起承転結」という言葉が頭に浮かびます。

 これは絶句(漢詩)の構成に由来する言葉なわけですが、この考え方自体は漢詩が流行する前からあったものなのかなぁと思ったり。4行だから「起承転結」なのではなく、「起承転結」を描くために4行という形をとったのではないか、と…
 そしてこれは4コマ漫画にも言えることなのではないでしょうか。そもそも4コマ漫画の起源ってどこにあるんでしょうかね… 

 今回書きたいのは、「オチへの持って行き方=『転→結』」についてです。3コマ目でフラグを立てて、4コマ目でキメる というのが4コマ漫画の鉄板のような気がします。(典型的なのが、コレです。『SCHMooze!』より)

 1~3コマ目を通して一つのボケというパターンもあります。
 (これもよく見られます 例『SCHMooze!』より)

 これら全てについて言えることは、4コマ漫画における『転→結』は最速のフラグ回収であるということです。3コマ目までに生じたボケ、違和感、はたまた高揚感という「フラグ」を(多くの場合)4コマ目で「落とす=回収する」ことこそ、4コマ漫画の本質なのではないでしょうか。

2.それすなわち、コマ!!

 4コマ漫画の特徴といえば「4コマ構成である」ということなのですが(←当たり前)もう一つ重大な特徴があります。それは「全てのコマのサイズが同じ」であることです。

内容(セリフ量、表現したい範囲‥)に合わせてコマのサイズを変えることができないんですよね…校内を映しただけの何気ないコマだろうと、渾身のツッコミだろうとコマの大きさは同じです。

 けれども、各コマの持つ重みは違うはずです(3,4コマ目が重くなりがち)。その重みをどう表現するのか、というのが4コマ漫画における一つの大きな課題であり、奥深さなのではないでしょうか。

じっくり読むのも楽しいかもね!!

 読者のみなさん、どうでしたか? 少しでも4コマ漫画の奥深さを感じて頂けていれば嬉しいです。4コマ漫画は勢いでスラスラと読み進めてしまいがちですが、じっくり読むことによって新しい発見があったりもします。

 みなさんも是非、家の本棚にある4コマ漫画をもう一度時間をかけて読んでみてはいかがでしょうか。