カジュアルさと、高いエンタメ性から学生をはじめ「デザイン」に興味のある多くの人から注目されている人気の資格「色彩検定」。
色彩やデザイン(主にファッション)に関わる検定・資格試験としてはかなり古い歴史を持つ、定番かつ王道の検定です。その知名度もあってか、累計受験者数は150万人以上(公式サイトより)!
さて、そんな色彩検定ですが…
果たして取得(合格)すると、どのようなメリットがあるのでしょうか??
今回は色彩検定を受けるメリットと、役立て方について紹介していきます。
1.色彩検定は「知識習得」が目的!

まずは、色彩検定を「受験する」こと自体のメリットについてです。
ひとつに、検定合格に向け勉強をすることで、色彩に関する知識を身に付けることが出来るということです。
これは当たり前といえば当たり前ですね。
色彩検定の良いところはなんといっても「色彩」という専門的で狭いカテゴリの中で、幅広い知識を問われるというところです。
色の名前や表記法などの基本的な知識から、ファッションやインテリアのカラーコーディネートといった実用的な内容まで…色彩に関するあらゆることを学ぶことが出来ます。
また、視細胞や見え方といった科学的な内容も含まれ、単に色について学ぶだけでなく視覚情報やユニバーサルデザインといった社会に沿った学習が可能です。
正直なところ「知識を身に付ける」という目的から言うと、受験をせずとも参考書や公式テキストを用いて勉強をすること自体に意味があると思います。むしろ必ずしも受験料を払って資格を取る必要もないのではないかと思ってしまうほどです。
ここでまず覚えて頂きたいのが、色彩検定は「知識を身に付ける」ことが最大の目的であるということです。
この認識を持っているか否かで、「色彩検定」という資格を役立てることができるかが変わってくると思います。
2.就職・転職に役立つ?

資格・検定といえば、気になるのが「就職・転職」に使えるかどうかですよね。
ここでは就職・転職における場面ごとに、「色彩検定」が役に立つのかどうか見ていきましょう。
①就職活動で有利になる?
色彩検定は受験者の多くが、学生です。
デザインに関する専門学校に通う学生が、単位取得の一環として受験するというケースも存在するようです。
もちろん、デザインとは全く関係ない学部・学科の学生が受験することも珍しくありません。
中には中学生や高校生の受験者も存在するとか。
では、そんな学生が取得することで、果たして就職活動で有利になることはあるのでしょうか?
正直にお答えすると、あまり有利になることは望めないと思います。
色彩検定は取るだけ無駄とかそういうことではありません。
ここで言いたいのは企業の採用において「色彩検定を持っているか否か」が占める割合は決して大きくないということです。
結局のところ、企業が求めるのは、知識があるとか勉強ができるとか…そういったことではなく、自分の会社のために頑張ってくれる人だったりします。
それは誠実さであったり、向上心であったり、社会性であったり…ステータスよりも人間性を重視されることがほとんどだと思います。
また、色彩検定はあくまでも民間の資格試験なので、誰でも受験・合格することが可能です。特に3級や2級は合格率も高く、1か月程度の学習時間で合格することも難しくないでしょう。
そうなってくると、資格取得の説得力は決して強いとは言えないんですよね…
それよりかは専門学校で2年間勉強したとか、バイトで色彩・デザイン系の仕事をしていたとか、実用的で長期的な「経験」の方が説得力が強いと思います。
もちろん業界やケースによっては、持っていないよりかは持っていた方が採用されやすいという企業も存在するでしょう。
例えば、デザイン業界の企業の書類審査にたくさんの志望者が募ったときは、最初のふるい掛けとして「とりあえず色彩検定持ってる人は通しておこう」なんてことがあるかもしれません。何もないよりは、やっぱり書くものがあった方が良いですね。
あとは、1級の取得ですね。
3、2級とは違い1級は実技試験もあり、難易度は段違いです。
採用担当が色彩検定について詳しければ、その凄さを評価してくれることでしょう。
(検定を知らない人からすると、ただのお遊びだと思われる可能性も十分あります…うーん)
また、色彩に関して興味・意欲があるといったことの証明にもなるでしょう。履歴書に書いておけば面接の際にそこから話が広がることがあるかもしれませんよ?
②転職で有利になる?
就職活動においては高い効果を望めませんが、転職ではどうでしょうか?
コチラに関しては…
新卒の就職よりも、あまり期待できません。
特に未経験者の場合は、ですね。
デザイン系のお仕事は、どうしてもセンスや経験が問われるある種の技術職です。
基本的に実務経験者を優先して採用するイメージがありますね。
いくら資格を取得して知識を身に付けたところで、経験者には敵わないと思われます…
もちろん、なにか別の部分で強みがあれば採用の可能性は大いにありますが、それはけっきょく資格のチカラでは無いわけで…
とにかく経験は知識に勝る、といいますか。
そもそも仕事をしていくうちに知識は自然と身につくものだと思います。
一方、実務経験者が同じ業界で転職する場合には資格を持っているといいことがあるかもしれません。
やっぱり、資格取得が実務経験の裏付けになります。知識習得への意欲の証明にもなるでしょう。
就職活動でも言えることですが、無いよりかはあった方が良いのは間違いありません。
3.独立・開業できる?
資格を仕事に役立てる方法として、就職のほかに「開業」があります。
これはいわゆる「独立する」というものです。
フリーランスとして個人で働くほか、複数人の代表として開業するか、などなど独立にも様々な形態があります。
今の時代だと、会社で働きながら「副業」として空いた時間に働くというのも珍しくありませんね。
資格を用いた開業として有名なのが「司法書士」や「行政書士」といった職業ですね。
これらは「業務独占資格」と呼ばれ、該当する資格を持つ者のみが携わることができる業務が存在しています。
つまり、司法書士として働くためには司法書士の資格が必ず必要ということですね。
そのため業務独占資格などの専門性の高い資格は、仕事に比較的直結しやすいです。
(開業して上手くやっていけるかは努力や運次第ですが…)
一方、今回紹介している色彩検定は…もちろん業務独占資格ではありません。
当たり前ですが、色彩検定に合格していなくても「色彩コーディネーター」として働くことは可能です。
また、関係する職業としてファッションコーディネーターやインテリアコーディネーターなどがありますが、これらは知識と同等、あるいはそれ以上のセンスが問われるものでもあります。
極端な話、初級や中級に関してはテキストさえ覚えれば、センスが全くない人でも資格を取得することが可能なのです。
その上、自分が果たしてどれほどのセンスを有しているのかはなかなか測ることが難しいですよね。
それゆえ資格を有しているからと言って誰もがコーディネーター業務で輝くことができるわけではないと思います。
とはいえ、能力次第では独立・開業も不可能ではないでしょう。
そのためには、営業力やコミュニケーション能力、簿記など多岐にわたるスキルが必要となってきます。特にマーケティングやお金に関する知識は是非身に付けておきたいところです。
4.資格の生かし方

就職や転職、独立‥といった「仕事決め」の上ではイマイチ活躍しきれない「色彩検定」…
それではこの資格はどのようなときに生きるのでしょうか?
ここでは私が考えた「資格の生かし方」を3つ紹介いたします!
①知識を実務に生かす
検定の勉強で身に付けた知識を実際の業務に生かす。これが、考え得る一番の活用法です。
何度も言うように色彩検定の目的は、勉強することによって知識を身に付けることにあります。
そして、せっかく身に付けた知識は役立てない勿体ないですよね。
例えば…配色パターンや色の持つイメージを使ってWebサイトやフライヤーのデザインをしたり、
住みよい家の内装や、個性に合ったファッションを提案したり。
色彩の知識は、デザインやアート、コーディネートなど様々な場面で役立つこと間違いなしです。
また、ユニバーサルデザインの知識に特化した「UC級」の勉強をすることでより社会的に意味のあるデザインづくりを実現していくことが望まれます。
自分のセンスだけではカバーしきれない部分を補ったり、スキルアップのためにも、一度勉強してみるのもひとつの選択肢だと思いますよ。
②知識を日常生活に生かす
とはいえ、色彩検定は「趣味」として受験する人も多く、受験者が皆デザインやファッション等に携わる仕事をしているとは限りませんよね。
就職にも生かしづらいなら、取得するだけお金の無駄???
そう考える方もいるかもしれませんね。
けれども、資格を生かせるかどうかは本人の考え方次第です。
仕事で使えないのであれば、仕事じゃないところで生かせばいいんです!
例えば、大切な人にプレゼントを贈るとき…
包装紙の色とか、複数あると迷ってしまいますよね?
そんなときは相手のイメージに合うラッピングをコーディネートしちゃいましょう!
他にも、部屋の模様替えでカーテンの色をどうするだとか、料理を何色のお皿に盛り付けるとか…
日常生活でも様々な場面で知識が生かせる瞬間は存在しています!
知識があれば、(たとえお金はもらえなくても)誰しもがコーディネーターになれちゃうんです。
せっかく勉強したんですから、自分のためにも誰かのためにもその知識、生かしてあげて下さい。
③自己啓発
これは色彩検定に限ったことではないですが…
検定の勉強して合格をする、ということは自分のスキルアップはもちろん、心の成長にも繋がります。
日々の努力が実を結ぶ… 成功体験というのは誰にとっても嬉しいものです。
また、学校の勉強とは違い自らが「勉強したい」と思って始めるものなので、続けやすいし、楽しみやすい。
正直なところ、色彩検定はじめとした趣味的な指向の強い資格は「自己啓発」が目的であることが多いと思います。
「なんのために勉強してるの?」と訊かれたら、「楽しいから!」と答えましょう。
④説得力が上がる
最後はまた少し違ったアプローチで。
みなさま、ここまで私の記事を読んで何を感じていますでしょうか?
「なるほどな~」「ためになった」
そんな感想をお持ちいただいていると嬉しいです。
では、色彩検定を受けたことが無い、興味が無い人が「色彩検定の生かし方」をテーマに記事を書いたとしたらどうでしょうか?
恐らく、ここまでリアルなものは書けないのではないでしょうか?
「資格保有者」という肩書きや専門的な知識が、ちょっとしたところで説得力を与えてくれたりします。
まぁ、これはブログやSNSで発信する方むけですね。
検定や資格で得た知識をどうにかして生かしたい!とか誰かに教えたい!という方はブログをはじめたり、SNSで積極的に発信していくことをオススメします。
あなたの知識が、世界中のどこかの誰かの役に立つかもしれませんよ??
まとめ
今回は「色彩検定の生かし方」をテーマに、様々なケースでの資格の活用を考えてみました。
結論としては大体以下の通りです。
- 色彩検定は知識を身に付けるのが目的
- 就職や転職で生かすのは難しい
- 取得したからといって仕事になるとは限らない
- 仕事や日常生活で積極的に生かそう
国家資格や簿記などに比べると比較的「趣味」としての意味合いが強い色彩検定。
仕事はもちろん、日々の生活でもどんどん生かしていきましょう!!
検定の勉強をする上で大切なのは、楽しむことです!
色彩検定の勉強法については コチラも参考に
コメント